PART 61

 その数日後。テレビジャパンの経済ニュース番組では、知佳の特集が10分にも渡って放送され、大反響を得ることになった。そして、その翌日に発売された週刊BJは記録的な売り上げを達成して、そのことがまたニュースになったのだった。ミスK大にもなった知佳の美貌、清楚な雰囲気、仕事について語る時の理知的な表情とその内容のレベルの高さ、はにかみながらゴルフのスイングをする様子、そのスイングの美しさ・・・広報部は、殺到する取材要請に一時、業務が回らない状況に陥ってしまった。また、知佳達が立ち上げたブランドは、前週比4倍以上の売り上げを記録することになり、品切れが多発することになった。知佳はまた経営会議に呼ばれ、BJグループの取材には極力好意的に応じるよう、社長直々に依頼されたのだった。

 しかしそれは、知佳にとって全く嬉しいことではなかった。BJグループには、絶対に人に見せられない写真と動画を山ほど握られてしまっているのだ。総務部の関口課長は、仁義を守っている限り、絶対にそれらが世に出ることはない、と言い切っていたが、知佳にはそれが腑に落ちなかった。それはつまり、それをネタにいつまでもM商事を揺することができる、ということではないのか。そして会社がエスカレートした要求を拒否した時、報復として自分の痴態の数々が世間にばら撒かれる・・・そう思うと、知佳は生きた心地しなかった。テレビに出るどころか、少しでも人目につかないように過ごしたい・・・必死にそう祈る知佳だった。

 知佳のその願いは全く叶わず、それどころか、テレビジャパンのその経済ニュース番組で、週に一回の生放送のミニコーナーが作られることになってしまった。それは全国の起業家から寄せられる相談に対し、M商事で事業を立ち上げた経験のある知佳がキャスターと共に対応策を語り合う、というものだった。それは知佳の知性と芯の強さをより視聴者に感じさせることになり、番組一番の人気コーナーとなった。また、週刊BJでは、一流企業の社長と対談をするコーナーが設けられ、出演を希望する企業からの問い合わせがBJ社に殺到しているとの噂だった。


 そして本来業務の繁盛とテレビ出演でさらに多忙を極めるようになった知佳だったが、その数週間後のある日の昼下がり、携帯電話に見慣れない番号からの着信を受けた。

 「あら、知佳ちゃん、お久しぶり。あれからあっという間に売れっ子になっちゃって、すごいわね。」
それは忘れもしない、旅館美月の女将の声だった。
「ちょっと相談があるんだけど、聞いてくれないかしら?」

 携帯電話を耳に当てていた知佳の表情がさっと強ばった。
「ちょ、ちょっと、勤務中に電話なんてしないでください。それに、どうしてこの番号を知っているんですか?」
美月旅館で味わわされた恥辱の数々が一瞬のうちに脳内に蘇り、知佳は震える両手で携帯電話を支えた。

 「あら、随分冷たいわねえ・・・テレビで売れっ子になったら、田舎の旅館の女将と話す時間なんてないってことかしら?」
女将はそう言いながらも、それほど怒った口調ではなかった。
「あなたの番号知っているのは当たり前でしょ、大事なコンパニオンさんなんだから・・・そんなことよりあなた、会社に何か言った?」

 女将の話はこうだった。
・数週間前、総務課長の関口から電話がかかってきて、この前の社長賞旅行の時に、知佳に変なことをするように強制していないか、写真を撮っていないか、しつこく問い質された。女将が何のことか分からない、と徹底してとぼけると、関口は納得していない様子だったが、しぶしぶ電話を切った。
・しかし今日、再び関口から電話がきて、来年からの社員旅行・表彰旅行等については、美月旅館から別の旅館に切り替えることにする、今までは大変お世話になった、と一方的に宣言されてしまった。理由を聞いても教えてもらえない。
・電話の様子から、明らかに関口課長は美月旅館に不信感を抱いていた。あの旅行が関係しているのは間違いない。

 「・・・私、会社になんて何も言っていません・・・あんなこと、言えるわけ無いじゃないですか!」
携帯電話を耳に当てながら部屋の隅に移動した知佳は、囁き声で必死に言った。
「お願いです、約束は果たしているんですから、
もう電話はなさらないで下さい。」

 「うーん、まあ、私もそうは思うんだけどねえ・・・あなた以外の人が言うとはもっと思えないのよねえ。」
電話の向こうの女将の声は、若干トーンが弱くなった。
「・・・分かったわ、まあ、あなたを信じるわ。ても、分かってると思うけど、今後、旅行のことを誰かにもらしたら、どんな手を使ってでも賠償してもらうからね。」

 「わ、分かってます、誰にも言いませんから、もうでんわ、しないでください!」
知佳は電話口に向かって懇願した。そろそろ同僚達の視線が気になってきた。

 「ちょっと、随分冷たいじゃない、知佳ちゃん、この前の分の振込、確認してくれた? 悪くない額だった筈よ。」
女将は知佳の懇願を無視してのんびりした口調で続けた。
「あ、そうだ、あなた、今度の週末、時間ないかな? お得意様が来るから、あなたに相手をしてもらえると助かるんだけど。テレビに出てる美人社員さんなんて、すっごくいいお金取れるわよ。」

 「や、やめてくださいっ!」
溜まりかねて知佳が大きな声を出すと、様子を気にしていた同僚達が一斉に視線を向けた。知佳は皆に向かって頭を下げながら、廊下に移動した。
「・・・す、すみませんが、私は、ああいった、お仕事は、もうするつもりはありません。本当にお願いします。」

 「そう? もったいないわねえ・・・それじゃあ、今週末一回だけでおしまいって訳にはいかないかしら? 正直、今後のM商事さんの旅行、いろいろアテにしてたのよねえ。年末の資金繰りも辛いし・・・」
女将は未練がましく食い下がった。
「これって結局、あなたにも責任の一旦があるんだから、一回だけ協力してくれてもいいんじゃない? それとも、今週末はどうしても駄目な用事があるの?」

 「だけど私、約束は果たしましたし、誰にも話していません。それに、今週末は、高校の同窓会があるんです。どうしても無理です。すみません、仕事があるのでこれで失礼します!」
知佳はそう言うと、ちょっと待って、という女将の声を無視して終話ボタンを押した。

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 そしてその数日後。知佳は久々に少し晴れ晴れとした気持ちで、地元に戻っていた。知佳は県で一番の私立S高校の出身だった。そして、卒業時のクラスはとても結束が強く、皆、頭も良かったため、それぞれに優秀な進路を歩んでいた。都会の一流企業に就職した者、医者や弁護士になった者、大学院に進んでいる者・・・それぞれの顔が脳裏に浮かび、知佳は久々に皆に会えるのを楽しみにしていた。みんな、元気かな・・・卒業して5年だけど、変わっていないかな・・・

 「あ、知佳ちゃん! やだ、何ぼけっとしてるのっ!」
同窓会の会場の最寄り駅で降りた知佳の肩を、その女性はスナップを利かせて思い切り叩いた。
「ねえねえ、すごいね、知佳ちゃん、毎週テレビに出ちゃって! 社長賞ももらったんでしょ? 一番の出世株だね。」

 「いったーい・・・ちょっと瑞希、あなたももう社会人なんだから、いい加減大人になりなさいよ・・・」
叩かれた肩をさすりながら、知佳は後ろを振り向いた。そこにはやはり、高校時代の一番の親友、原口瑞希の弾けるような笑顔があった。
「テレビなんて巡り合わせで出てるだけよ・・・そんなことより、瑞希は博士に進むんでしょ、すごいわねえ・・・」
知佳と争うほど優秀だった瑞希は、国立のK大の理学部に進んだがそこでも努力を重ね、教授の一番のお気に入りとなっているとの噂を聞いていた。
「あ、そうだ、大野君とはまだ続いているんでしょ? 大野君は実家の病院を継ぐんだよね? 院長婦人と最年少女性教授、どっちを狙うの?」

 「ああ、彼とはまだ続いているんだけど、ちょっと前に喧嘩しちゃって・・・最近は連絡取ってなかったんだ。だから彼が企画した今日の同窓会にも来ないと思っていると思う・・・でも突然行って、仲良くなろうかな・・・なんてね。」
急に照れくさそうになった瑞希は、慌てて言葉を続けた。
「まあ。知佳ちゃんがあっさり振ってくれたお陰のありがたいご縁なんだから、せいぜい大切にさせてもらいますよ。」

 「やだ、今さら何言ってるのよ。あんまりぶちぶち言うなら、取り返しちゃうわよ。」
知佳は笑ってそう言うと、お返しとばかりに瑞希の背中をどんと叩いた。真夜中に長時間電話して二人で真剣に男の子のことを語り合った日々を思いだし、知佳は微笑ましい気持ちになっていた。

 二人がじゃれ合いながら会場に向かううちに他の同窓生とも合流し、到着する時には以前の仲良し5人組が全員揃っていた。東京から離れ、昔の友人に囲まれ、知佳は心が久々に軽くなるのを感じていた。

 今回の同窓会の会場は、TグランドホテルというT市の中で最も有名なホテルだった。そしてそこでは知佳の家族が毎年家族写真を撮っていたため、ホテルの従業員達は知佳の姿を見るとぱっと笑顔を向けてきた。
「ようこそいらっしゃいました、麻倉様。今日は高校の同窓会でご利用とのこと、ありがとうございます。」
フロントマネージャらしきスマートな中年男性が素早く駆け寄ってきて、満面の笑みをたたえて頭を下げた。

 「あ、笹倉さん・・・こんにちは。先日はどうもありがとうございました。」
知佳はマネージャの顔を見ると、にこやかに笑ってお辞儀をした。

 マネージャの恭しい様子に、同窓生達が驚いたような顔をしたのに気付き、笹倉は皆の方を向いて説明した。
「実は、麻倉様ご一家には、知佳様が生まれてから毎年、家族写真をご用命いただいておりまして、こちらの写真館で展示させていただいております。大変好評で、特に知佳様がテレビに出るようになってからは、家族写真のお申し込みが以前の3倍以上になりました。誠にありがとうございます。・・・よろしければ皆様、写真館はロビーのすぐ横ですので、ご覧になって行かれませんか? 先日撮影した写真も大変好評でございまして・・・」
えー、知佳ちゃんの子供の頃の写真、見てみたい、と皆が歓声を上げ、マネージャの後ろについて行った。ちょっとやめてください、という知佳の照れたような悲鳴が後に続いた。


 そしていよいよ同窓会が始まった。司会を勤めるのは、当時のクラス委員で私立K大医学部に進学し、実家の病院を継ぐことが決まっている大野翔太だった。大野が開会の挨拶の中で、当時の担任教師が現在は海外に移住しているため今日は来れないことを告げると、会場のあちこちから残念そうな声が聞こえた。
 また、開会の挨拶と共に、大野はホテル側から一つの提案があったことを報告をした。それは、今日のパーティに、ホテル側が無料でカメラ撮影とビデオ撮影をしてくれることになったというものだった。ただその代わり、撮影した写真とビデオはホテルの宣伝に使うことを許可するのが条件とのことであり、皆は即座に快諾した。すると、ホテルから御礼として豪華なフルーツバスケットが提供され、特に女子が盛り上がった。絶対これって、知佳ちゃん狙いだよねぇ、ありがとう、知佳ちゃん、と皆に感謝され、知佳は照れくさそうに頭を掻いた。

 知佳の卒業当時のクラスは小じんまりしていて、全員で31名しかいなかった。そしてその内訳は男子22名、女子9名だったため、女子は全員がモテモテだった。今日の出席者は、そのうちの男子20名、女子7名だった。そして女子は皆、少しだけ気合いを入れて大人っぽくお洒落な格好をしており、お互いの服を誉め合ってはきゃっきゃとはしゃいでいた。そして、プロのカメラマンがにこやかにポーズを依頼すると、笑いながらポーズを作るのだった。

 最初の30分間は、フリーの懇親が行われることになった。ホテルの小さめの部屋を借りた立食形式の会場では、あちこちで各人がわいわいと集まってはお互いの近況報告をしていた。もちろん一番人気は、S高校一可愛かった知佳だった。それに、大学ではK大でミスコンになり、超一流企業のM商事に入って、僅か2年目で社長賞を取り、テレビでレギュラーのコーナーまで作られているのだから、それも当然だった。男子達は皆、知佳の輝くような美貌と、ぐっと色気を増したような全身のラインを盗み見ては、こそこそと囁き合うのだった。(知佳ちゃん、胸大きくなったよな)(ちょっと腰の辺がエロくないか?)(やっぱり彼できたのかな?)(くそ、もう、処女じゃないのかな・・・)

 そして皆が一通りの話をし終わったころ、大野が壇上に上がり、これから指名する順に一人一人近況報告をしてもらうこととした。そして、大野の指名に従って各人が壇上に立ち、少し照れながら現在の状況を説明すると、その後ろのスクリーンに学生時代の制服姿が等身大で表示された。会場のギャラリーからは、へえっという驚きや、すっごーい、という歓声、昔と全然変わってないなあ、といった明るいからかいや突っ込みがあちこちから聞こえ、場内は暖かい雰囲気に包まれた。知佳も皆の近況と現在の幸せそうな表情を見ながら、高校時代に気持ちが戻ったような気がしていた。

 知佳の近況報告の順番は最後だった。自分の前に指名された瑞希が愉しそうに大学での研究生活について話しているのを笑顔で見ていた知佳は、自分の携帯端末にメールが着信したことに気付いた。(え、誰かな・・・仕事だったら嫌だな・・・)商社でプロジェクトを立ち上げている知佳にとって、業務上の電話とメールは常に最優先だった。トラブルだったらすぐに帰らなくちゃ・・・知佳は祈るような気持ちでメールの画面を開いた。タイトルは『緊急』で、送信者は見覚えのないアドレスだった。

『麻倉知佳様
 初めまして。テレビであなたを拝見して依頼、大ファンとなった者です。今日はとても素敵なワンピースですね。クリームイエローが知佳さんの雰囲気にぴったり合ってますよ。
 さて、この度、何枚かの写真を入手しました。もしこの写真を公開されたくない場合、これからの命令に従ってください。まず、会場を出てすぐ右の椅子に赤い紙袋があるので、それを開き、中のインカムを付けて戻ってください。』

 「ちょっとごめんね・・・仕事のメールが来ちゃって」
知佳は周りの友達にそう言って軽く頭を下げると会場の外に出た。そして周囲を見回して誰もいないのを確認すると、そのメールに添付されている写真を開いた。
(・・・っ! 何、これ? どうして?)知佳は画面に表示された写真を見て、声にならない悲鳴をあげた。それは、知佳が本社ビルの会議室で全裸になっている姿を、窓の外から撮った写真だった。おそらく向かいのビルから望遠レンズで撮ったであろうその写真では、知佳の顔が何とか判別できるレベルだった。写真は三枚添付されており、2枚目は脚を大きく開いて秘裂を開いている姿、3枚目は自分で乳房を揉み、秘裂に指を挿入して喘いでいる姿の写真だった。

 部屋の中からは、瑞希のスピーチにどっと湧く声が聞こえて来た。早く戻らなきゃ・・・知佳は混乱した頭のまま、赤い袋の中身を開いた。その中には、肌色で小さなインカムが入っていた。

 知佳はそのインカムを耳に付けると、会場の中に戻った。瑞希の話はそろそろ終わりそうだった。

 するとすかさず、インカムから男の声が聞こえた。それは機械的な音声に変換されていた。
『麻倉さん、聞こえますか? 聞こえたら、右手を上げてください。』

 (ど、どこから見てるの? 誰なの、この中の誰かなの?)知佳は周囲にさりげなく視線を走らせたが、それらしき者は見つからなかった。知佳はさり気なく右手を上げ、軽く髪を撫でた。(誰なの? 一体私をどうするつもり? どうしてあんな写真を持っているの?・・・)

 『よし、ちゃんとインカムしてくれたみたいだね。この後も、ちゃんと命令に従った方がいいよ。』
インカムからはどこか愉しげな声が聞こえてきた。
『あ、こっちを探しても無駄だよ。見つかるようなへまはしないからね。』

 それでも知佳は周囲に目を配って犯人を探そうとした。同時に、犯人が同級生だとしたらなぜあの写真を持っているかを考えた。この中の誰かが偶然が向かいのビルにいて、超望遠レンズであの会議室を狙っていた筈がない・・・とすると、犯人は同窓生ではなく、隠しカメラでどこかから見ているのか・・・でも、何のために?・・・そうしている間にも旧友達に話しかけられ、眩しい笑顔で会話を交わす知佳だった。

 そしてついに、知佳の近況報告の番が回ってきた。名前を呼ばれた知佳がゆっくり壇上に上がると、満場から拍手が湧き、知佳ちゃん、可愛いっという男子達の歓声が起きた。薄手のクリームイエローの生地に、白い襟をあしらったそのワンピースは、知佳の爽やかで清楚な魅力を最大限に引き出していた。また、同時に制服姿の知佳が背後のスクリーンに大映しにされ、かわいいっ、という歓声が男女を問わずあがった。

 知佳はマイクの前に立つと、高校を卒業した後のことを話し始めた。大学でのサークル、ゼミ、・・・ミスコンについては避けようとしたが、会場からの突っ込みで説明をさせられた。その恥じらいながら微笑む美貌をカメラマンがここぞとばかりに連写した。そしてM商事に入って衣料品事業部で頑張ったこと。周囲との摩擦で苦労したこと・・・そこまで話したところで、知佳は恥辱の記憶が一気に蘇り、少し言葉に詰まった。勘違いした同窓生達が、頑張れ、知佳ちゃん、と励ましの言葉をかけた。

 そして知佳のスピーチがまとめに入ろうとした時、インカムから唐突に声が聞こえた。
『うん、なかなかいいスピーチだったよ、知佳ちゃん。それじゃあ今度は、僕の指示に従ってもらうよ。今すぐここで、そのワンピースを脱ぐんだ、みんなが見ている前で。・・・理由は適当に付けて、絶対に脅されていると疑われないこと。』

 「・・・え、えーと、それから、まだ言いたいことがあったと思うんですけど・・・

インカムからの衝撃の指示に知佳は心臓が停まりそうになりながら、何とか言葉を絞り出し、時間を稼いだ。目の前の同窓生達の笑顔が、急にもやに包まれたようにぼうっとなっていった。

 ど、どうしよう・・・知佳は壇上で必死に頭を巡らせた。命令に従うか拒否するか、二つに一つを、今すぐ決めなければならない。考えて見れば、あのくらいの写真だったら、仮にばら撒かれても、合成だと言い張ることができるのではないか・・・それに、犯人が持っているのがあの3枚だけだったら、ばら撒いてしまったらもう私を脅すことはできない・・・きっと、後でもう一回脅そうとしてくる筈・・・その前に、何か、対策ができれば・・・いや、いくら合成だと言い張るとしても、あれは本当に私の裸なのだから、万一ばら撒かれたら、ネットで検証されて、本人だと分かってしまうかもしれない・・・そもそも、窓際で全裸になってオナニーをしている写真が世間にばら撒かれて、スケベな男達の視線に晒されるなんて、辛すぎる・・・

 「・・・知佳ちゃん、大丈夫? 具合でも悪いの?」
壇上で立ち尽くしている知佳を見かねたように、司会の大野が声をかけた。他の同窓生達も皆、心配そうな視線を向けていた。

 『どうしたの、知佳ちゃん、みんなに心配されちゃうなんて駄目じゃん・・・いいだろ、こんな少人数に下着姿見せるくらい。それとも、会社でオッパイオマ○コ丸出しにして、立ちオナニーしてる姿を世界中の男に見てもらいたいわけ?(笑)』

 さんざん迷った知佳だったが、同窓生達とインカムに急かされ、ついに心を決めた。


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