PART 42(a)

 雲一つない晴天、朝の爽やかな空気の中、広々とした競技場は奇妙な雰囲気に包まれていた。

 広々とした競技場の真ん中に、ぽつんと一頭の馬が立っていて、一人の女性が騎乗している。そこまでは普通だが、その女性がヘルメットとブーツ以外は何も身に付けていないのが、恐ろしく非日常的だった。しかも、その女性は街を歩いていたら誰もが振り向くような美人で、スタイルも良かった。真っ白な肌が陽の光を反射して眩しく光り、弾力があって柔らかそうな美乳、ふっくらとしたお尻、股間を覆う淡い恥毛までもが露わになっている・・・恥ずかしくてたまらないと言わんばかりに、その美貌が真っ赤に染まっているのもたまらなく魅力的だった。

 それだけでも十分刺激的なのに、その女性は公共放送の有名女子アナウンサーで、学生時代は馬術界のアイドル的存在だったのだ。あの、本澤麻衣子が、なぜか素っ裸になって馬に乗り、大股開きで腰を後ろに突き出して障害を越える姿を披露し、さらに今、自ら腰を振り、切なそうな喘ぎ声まであげている・・・ギャラリーは皆、飽きることなくその光景に熱い視線を送っていた。

 千人ものギャラリーの視線を一身に浴びた麻衣子は、少しぼうっとしていたが、しばらくするとはっと意識を取り戻した。早く、早くやらなくちゃ・・・太陽は少しずつ上がり、肌に直に当たる陽光の温度がじわじわと上昇していた。
「す、すみません、・・・んんぅっ・・・そ、それでは、演技を再開します」
麻衣子は全身がかあっと熱くなりながら、羞恥ショーの続行を宣言した。馬のわずかな動きで、膣の奥まで挿入されたディルドが膣壁を抉るのが辛かった。この状態で、馬を走らせて、障害を飛越するなんて・・・

 "大丈夫だよ、制限時間はないから、成功するまで何度でもやり直していいよ"
優しい口調の「声」が脳内に響いた。しかしそれは、成功しない限り、麻衣子は馬上での全裸姿を晒し続けなければならないということを改めて念押ししていた。

 (本当に、全部成功したら、みんなの記憶を消してくれるのよね?)麻衣子は頭の中で「声」に問いかけたが、返事はなかった。さっきから答えている、ということなのだろう・・・麻衣子はそう思うと、顔を上げて背中を伸ばし、両手で手綱を軽く握った。

 全裸演技の再開を察したギャラリーの注視を感じ、忘れかけていた恥ずかしさが急に込み上げてきた。でも、やるしかないじゃない、早く終わらせるんだから・・・麻衣子はまた自分に言い聞かせると、脚に力を込め、馬の腹を軽く蹴り、手綱を軽く引いた。馬は合図に反応し、ぶるっと馬体を震わせたた。

 「・・・あ、あぁ・・・」
馬体が震えると共に、大股開きの麻衣子の股間をディルドがぐいっと抉り、深く食い込んだ。ずーん、と身体の奥を突かれ、麻衣子の脳内に快感の火花が散った。

 「んっ、ん、うぅん・・・」
麻衣子は思わず顔を仰け反らせ、天を向いて喘いだ。駄目、感じたら駄目なのに・・・声を出しちゃ駄目・・・身体を持ち上げてディルドから逃れたかったが、そうしたら、股間にディルドを咥えていることを、この場の全員に知られてしまう・・・麻衣子は悩乱の中、必死に自分に言い聞かせ、腰を浮かさないように耐えなければならなかった。私、青空の下で大勢の人に見られて、素っ裸なんだ・・・みんなに裸を見られている・・・早く、演技をしなくちゃ・・・麻衣子は思考の堂々巡りを繰り返しながら、再び手綱を引いた。
「・・・っ! あっ、あん・・・」
食いしばった唇から、またもや喘ぎ声が漏れ、マイクに乗って競技場全体に響いた。

 (・・・?)
しばらくして、麻衣子はある異変に気付いた。合図をしても、馬は馬体を震わせるだけで、その場に留まったままなのだ。(・・・え、どうして? 早く、早く動いて)
麻衣子は慌ててもっと強く手綱を引き、馬体の横を足で叩いたが、再び馬体が震え、恥ずかしい悶え声を上げるだけに終わった。

 "あ、麻衣子ちゃん、まだ言ってなかったけど、それじゃあ駄目だよ"
唐突に脳裏に「声」が聞こえた。
"その馬、手綱とか普通の方法じゃじゃ動かないよ。ディルドを前に押すと前進、左右に回すと方向転換、後ろに押すとブレーキ、前後に連続して振ると早足、腰を上げるとジャンプだよ・・・まあ、ゲームのジョイスティックだと思えば簡単だよね?"

 麻衣子の表情が固まった。
(・・・え?・・・そ、そんな!)
麻衣子は「声」の主の意地悪な企みを悟り、目を見開いた。それはつまり、衆人環視の中で全裸を晒した上、更に腰を振って、秘裂でディルドを操るということではないか・・・何という卑劣な企みなのか・・・
(そんなの、無理よっ!・・・お願い、もう許してっ!)
しかしまた、「声」の主の雰囲気はふっと消えてしまっていた。

 「あ、あの・・・本澤さん・・・」
運営スタッフの男が声をまたかけてきた。全裸のまま馬上で突然固まってしまった女性を前にほとほと困惑した表情だった。
「このまま、演技をされるんでしょうか?・・・されるのでしたら、お早めにお願いします・・・」
馬上の麻衣子の顔を見ると、美しい乳房が同時に目に入ってしまい、男はぎこちない口調になっていた。

 「す、すみませんっ! すぐ、すぐ演技をしますので・・・」
さっきも同じことを言った・・・麻衣子はそう思いながら、「声」の主の命令には逆らえないことを改めて悟った。演技をしなければ、いつまでもここで裸を晒さなければならないのだ。


 少しの間の後に麻衣子がとった行動を見て、観客達はまた呆気にとられた。全裸で騎乗している麻衣子が、突然腰を前後に振り出したのだ。
「・・・あ、あっ、あんっ・・・」
色っぽく腰を振ると同時に、明らかな喘ぎ声が漏れ、競技場に響いた。

 しかし麻衣子がしばらく腰を振り立てても、馬は一歩も前に進もうとしなかった。
(ど、どうして!?)
麻衣子の顔が苦渋に歪んだ。「声」に騙されたのか? 卑猥な姿を観客に晒すために・・・

 "ちがうよ、麻衣子ちゃん"
すかさず脳内に「声」が閃いた。
"「レバー」をもっとしっかり握ってから動かさないと、馬は反応しないよ。もっとアソコに力を入れなくちゃ" 

 しばらく逡巡した麻衣子だったが、またもや運営の男に促され、覚悟を決めなければならなかった。お腹の下に力を込め、膣壁でディルドをしっかりと挟むようにした。

 「んんんっ! んぅぅ・・・」
すかさず膣奥から快感が突き上がり、麻衣子は馬の上で背を弓なりに反らせて喘いだ。しかし、ここでやめてしまっては、ただ恥ずかしい姿を晒すだけに終わってしまう・・・麻衣子は死にたいほどの恥ずかしさと恐ろしいほどの快感に唇を噛み締め、腰を前後に振った。

 その瞬間、馬上の美しい女体ははまたもや仰け反った。
「あ、あぁ、あぁっ! んんぅぅ・・・」
頬を真っ赤に染め、顔を空に向け、唇を半開きにして喘ぎながら、麻衣子は腰を振り続けた。

 するとついに、馬は前に進み出した。一歩、一歩、麻衣子の腰の動きに反応して、少しずつその歩みは早くなっていた。
 
やった!・・・湧き上がる快感と羞恥に悩乱しながらも、麻衣子は必死に腰を振り続けた。もっと加速をしないと・・・第一障害はオクサーなんだから・・・

 ・・・観客達と運営スタッフ達は、呆気にとられてその光景を眺めていた。有名美人女子アナが、馬上で全裸になるだけでも信じられないのに、今度は騎乗位としか思えない腰の動きを始めたのだ。女体がS字にくねり、乳房を突き出して震わせ、大きなお尻を弾ませ、薄い恥毛に包まれた股間を淫らに前後に動かしている・・・その姿は、大スクリーンにも角度を切り替えながらアップで映し出されていた。また、美しい髪はすっかり乱れて、汗が浮いた額に前髪が貼り付き、唇は半開きのまま喘ぎ声を漏らし続け、マイク越しに淫らな声が響き続けていた。もはやそれは馬術と言えるものではなかったが、何が起こっているのか分からないギャラリーはその光景を見つめるしかなかった。また、その淫らで蠱惑的な光景をいつまでも見ていたいという気持ちも皆にあった。


 それから約10分間。麻衣子はさらに淫靡なショーを晴天の下で演じ続けた。速度が足りずに障害を越えられないと、元に戻って腰を振り直し、やっと越えたと思ったら、飛越の瞬間に腰が馬体から浮き、透明なディルドが大スクリーンに映し出された。息を呑んで見ていた観客達からも、その瞬間には大きなどよめきが起き、黄色い悲鳴が響いた。

 膣に男性器を模した器具を咥え込んでいたことをついに観客達に知られてしまった麻衣子は、あまりの恥ずかしさに悲鳴を上げ、腰を浮かしたまましばらく呆然としていたが、やがて諦めたようにがっくりと首を垂れると、ゆっくりと腰を落としていった。それは、挿入シーンをじっくりと観客達に見せつけることになってしまった。きゃああっ、と女性達の悲鳴が響き、麻衣子の頬がかあっと熱く火照った。

 一つの障害をやっと越えても、今度は方向転換のため、麻衣子はディルドを咥えた腰をぐるぐると左右にくねらせて回さなければならなかった。その際も、ディルドを咥える力が弱くなると馬が止まってしまうため、麻衣子はしっかりと膣壁でディルドを押さえながら腰を回す必要があり、膣壁を縦横無尽に抉られる快感に目を白黒させ、恥も外聞もなく淫らな声をあげてしまった。

 第3障害を越える頃になると、麻衣子の快感は限界に達し、障害を越え、腰がディルドの上に落ちる度に、脳天を貫く快感に耐えきれず、麻衣子は絶頂に達して失神してしまうようになった。こんなことが現実であるはずがない・・・きっと夢なんだわ・・・裸でみんなに見られながら、馬に乗って、こんなことを・・・そこまで考える度に、麻衣子は頭の中が真っ白にスパークして、失神してしまっていた。



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