PART 11(ba)

「・・・え、てぶらって?・・・」
梨沙は言葉の意味が分からずに困惑した。まさか・・・

「やだ、梨沙ちゃん、そこまでぶりっ子するわけ?」
ありすが呆れたように言った。
「だから、手をブラの代わりにして胸を隠して、ブラジャーは脱いで見せなさいってこと。分かった?」
ありすは、話が違うと言いたげな梨沙の顔を見て、にこりと笑った。
「どうしたの? 電車の中でオッパイもアソコも丸出しにされちゃう方がよっぽど恥ずかしいと思うんだけど?」

・・・そして梨沙は、屈辱と羞恥に頬を朱に染め、全身を小さく震わせながら命令どおりの姿を晒さなければならなかった。
「・・・梨沙、今は、手ブラです・・・」
梨沙は今、ブラジャーを思い切り上に押し上げ、両手で乳房を庇うポーズを晒していた。下半身にはパンティ一枚だけの美少女が、両腕を胸の前で交差させ、左手で右の乳房、右手で左の乳房を覆っている姿はこの上なく扇情的だった。しかもその潤んだ瞳はビデオカメラから逸らさないように命令されていた。

「梨沙ちゃん、すっごく肌がきれいね! 白くてすべすべしてて、張りがあって・・・若いっていいわね・・・」
ありすがそう言いながら梨沙の背中や腕、首筋を撫でた。梨沙は体をビクッと震わせたが、あからさまに拒否はできなかった。すると、その手はスッと移動してブラのホックを摘まんだ。
「どうせなら、もうこれは脱いじゃおうか?」
ありすはそう言うと、ホックを外してしまい、さらにブラの紐を掴んで、やや強引に腕から下ろしていった。手ブラをしている梨沙は無理な抵抗ができず、ついには完全にブラを剥がされてしまった。
「はーい、梨沙ちゃんの生ブラ、こちらでーす!」
ありすはそう言うと、ビデオカメラの前にそのブラを晒した。

「よし、確かにブラは生だったな・・・」
黒川は満足そうに頷くと、パンティ一枚の姿で必死に胸を庇っている美少女を見つめた。
「それじゃあ次は、そのパンティだな。やっぱりそのまま脱いで確認させてもらおうか。『手パン』してもいいからさ。」

「そ、そんなっ!」
梨沙は今日何度言ったか分からない言葉を繰り返した。手ブラでパンティ一枚、という姿でいるのも死にそうに恥ずかしいのに、『手パン』だなんて・・・それはつまり、リボンとソックス以外は全裸になれ、ということではないか・・・
「あ、あの、他に確認方法は無いんですか?」
しかし今の梨沙の立場では、質問の形で訴えるのが精一杯だった。(お願い、それだけは許して・・・)

「・・・そうねえ、確かにそれじゃあ梨沙ちゃん、すっぽんぽんになっちゃうもんね。」
困窮する梨沙に今度はありすが助け舟を出した。
「ねえ黒川さん、パンティと身体の間に何も無いことが分かればいいんでしょう? それなら、梨沙ちゃんにちょっと感じてもらって、シミでも付けてもらえばいいんじゃない?」

「うーん、そうだなあ、まあ、ぐしょ濡れになれば2枚穿きでも濡れちゃいそうだけど、それもまた面白いか・・・」
黒川はしばらく考える素振りをしてから頷いた。
「よし、それでもいいぞ。それじゃあ梨沙ちゃん、そのままパンティを脱ぐか、オナニーしてシミを付けるか、好きな方を選んでくれ。」

「そ、そんな・・・無理です。私、そんなこと、したことありません・・・」
無茶苦茶な選択肢を突き付けられ、梨沙は必死に訴えた。ウブな16歳の女の子にとって、人前で裸の下半身を晒すことも、自慰行為も、死んでもできる筈がなかった。

「おい、からかうのもいい加減にしろよ、どっちかを選べないって言うんなら、両方してもらうぞ。1分以内に決めなかったら、素っ裸にして無理矢理イカせてやるからな。」
黒川がニヤニヤ笑いを消して厳しく言った。

「・・・あ、あの、すみません・・・だけど、私・・・」
(何か言わなくちゃ! 何とかここから逃れないと!)梨沙は裸の上半身を両腕で庇うポーズのまま、必死に考えようとした。ど、どうしよう、何も浮かばない・・・

その時。どこからともなく、ブーン、ブーン、という振動音が聞こえてきた。(・・・!)梨沙はそれが自分の鞄の中からであることを悟り、更に頭の中がパニックになった。そうだ、柏原君達から電話が来る約束だった、でも、どうしたら・・・出ないと、柏原君達が警察に訴えちゃう!

「あれ、梨沙ちゃんの携帯みたいだけど、開けてもいい?」
くるみはそう言うと、梨沙が頷くのを確認してからその鞄を開け、携帯を取り出した。
「えーと、『柏原くん』だって! 彼氏かな?」

「おい、梨沙ちゃん、出るのはいいけど、スピーカーモードにしろよ。」
黒川が警戒の面持ちで言った。
「ちょっとでも変なこと言ったら、どうなるか分かるよな?」

「わ、分かってます!」
梨沙はそう言いながら、急いでその携帯を受け取り、受話ボタンにタッチした。そしてすぐに、スピーカーモードに切り替えた。

『もしもし、梨沙ちゃん、大丈夫? 随分時間がかかったけど?』
皆が注視する中、その携帯からは若い男の声が響いた。

「うん、ちょっと今、お店の人と話しているところだったから、出るの遅れてごめんね。全然大丈夫だよ。」
梨沙は努めて平静な声を出した。

しかしそれは、店の中にいる他の4人の男女にとっては格好の見世物だった。首のリボンとソックス以外はパンティ一枚だけの半裸に剥かれてしまった美少女が、右腕だけで胸を庇い、左手で受話器を持って会話しなければならなくなっているのだ。特に右の胸は、右腕を押し付けているだけなので、その腕にむぎゅっと押し出されるように、白い乳房が覗いてしまっていた。お、上チチと下チチ、見えてるよ、とわざと指摘しながら、店員がカメラのフラッシュを浴びせた。梨沙の顔が小さく歪み、首を振るのがおもしろかった。

『・・・だけどさ、そんなに長く何を話してるの? ひょっとして梨沙ちゃんも何か、脅迫されてるんじゃない?』
まさか梨沙がパンティ一枚だけの半裸姿を晒しているとは夢にも思わない柏原が心配そうな口調のまま続けた。

「・・・う、うん・・・例の領収書を見せて話してるんだけど、・・・法律的にはそれだけじゃ摘発できないんじゃないかとか言われて・・・」
梨沙は苦し紛れに話をでっちあげた。芳佳のことを素直に言ったら、彼女が梨沙の親友であることがばれてしまうし、今、こんな姿にされてしまっていることも知られたくなかった。

『そっか、その紙1枚じゃ決定打にはならないってことか・・・でも、あっちも強がっているだけだと思うよ。何なら、今すぐそっちに行って、俺も口添えしようか。法律のことなら少しは勉強したしね。やっぱり女の子一人だとなめられてるんじゃない?』
まさか敵側に全部聞かれているとは知らず、柏原は少し興奮気味に言った。

「・・・だ、だめっ、来ないでっ!」
今にも来そうな柏原の声に、梨沙は思わず焦って言った。自分に好意を寄せてくれている男子にこんな姿を見られたくなかったし、それに、柏原が警察に訴えたりしたら、せっかく自分を犠牲にして芳佳を守ろうとした努力が全て水の泡になってしまう・・・
「も、もう少しで話がまとまりそうなの。だから、変に刺激したくないの。」

『ふーん、そうか・・・それなら待っているけど・・・』
柏原はどこか腑に落ちない様子だった。学年一の秀才は、梨沙の話の内容や口調がどこか不自然だと感じ取っていたのだ。
『何かあったら、ワン切りでもいいから連絡くれよな。そしたらすぐに助けに行くから。』
わー、恰好いい、カシワバラくん、とありすが小さな声で揶揄した。でも、梨沙ちゃんのこんな格好見たら、きっと鼻血出しちゃうよ、とくるみが言ってくすくす笑った。

「う、うん、分かった。ありがとう・・・もう少し待ってて・・・あっ!」
ようやく電話を切れると思った梨沙は、思いがけない事態に思わず小さな悲鳴を漏らしてしまった。後ろにいる誰かの手が、梨沙のパンティのゴムを掴み、2センチほど下げてしまったのだ。
(いや、やめてっ!)左手は電話、右手は胸を庇っているため、梨沙は抵抗できない。慌てて首を曲げて後ろを見ると、くるみがにやりと笑っていた。

「ねえ梨沙ちゃん、結局どうするの? パンティを脱ぐのと、オナニーするのと、どっちがいい?」
くるみはそう言いながら、さらにパンティを1センチずり下げた。パンティは骨盤の下に来て、後ろは尻の膨らみの始まりの部分が露わになっていた。
「どうする、このまま脱がせてあげようか?」

『・・・どうしたのっ!? 大丈夫、梨沙ちゃん!』
梨沙の小さな悲鳴を聞いた柏原は、いよいよ緊迫した声になった。

「ご、ごめんなさい、大丈夫よ・・・」
梨沙はパンティを下ろされかけたままの姿で、くるみの方を見て必死に首を振った。お、お願い、それだけは脱がさないでっ!
「・・・ちょっと、虫がいたからびっくりしちゃって・・・」
おー、うまいうまい、とありすが感心した口調でからかった。
「それじゃ、そろそろ戻らないと店の人に不審に思われるから・・・」
両手を塞がれてパンティを下ろされかけている状況から早く抜け出したい梨沙は祈るような気持ちで言った。お願い、電話を切って、柏原くん・・・

しかし、梨沙の期待はあっさりと裏目に出てしまった。
『ちょっと、梨沙ちゃん、本当に大丈夫?』
スピーカーから聞こえる声が唐突に若い女の子の声に変わった。

「・・・え? うん、だから、もう少しで店側と話がつきそうなところだから・・・」
(みどりちゃん、お願い、早く電話を切らせて・・・)意地悪くパンティのゴムを引っ張るくるみの顔を見て梨沙は必死に首を振り続けた。

『その、話がつきそうって言うのは、具体的にどう決着するってこと?』
みどりは梨沙の言葉を遮って聞いた。そして梨沙が返答に窮して間が空くと、察したように言葉を続けた。
『やっぱり、脅されてるけどそこでは言えないんじゃないの? 大丈夫よ、私より先に電話を切るだけで、警察を呼んで来てあげるから。』

「へーえ、賢いお友達だねえ。どうする、梨沙ちゃん?」
黒川がニヤニヤしながら囁いた。

「違うの、脅されてなんかいないから、安心して。」
4人の男女に見つめられながら、梨沙は電話口に向かって言った。
「もう戻らないと怪しまれるから、電話を切ってくれるかな、・・・あ、んぁっ!」
いきなりパンティ越しに秘裂をスッと撫でられ、梨沙は思わず喘いでしまった。

「脱ぐのが嫌なら、ここでオナニーするってことよね?」
くるみが秘裂をねちっこく撫でながら梨沙の耳元に囁いた。
「経験が無いんなら、私が教えてあげる。(笑)」
携帯を握り、必死に唇を噛み締めて声を押し殺す梨沙の横顔を見て、くるみは妖艶に笑った。


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