PART 15(ba)

「ぷっ、K附のお嬢様がローター欲しくてストリップ?!」
「へえ、あんた、真面目そうな顔してるくせに、何でそんなマニアックなの欲しい訳? いつもどんなオナニーしてるの?」
ミサトとユウカはクスクス笑いながら梨沙の顔を覗き込んだ。
「ねえ、ちょっとからかわれただけで顔真っ赤だよ、可愛い! ・・・けど、このコが男に声かけてストリップなんて、本当にできるの?」

「やっぱり無理かなあ。」
青木が困ったように言った。
「もう商品は開封しちゃったから今更中止にはできないし・・・そうだ、ちょっと2人で指導してくれないかな? もちろん、謝礼は払うからさ?」


・・・その数分後、梨沙は頬を更に真っ赤にして道端に立ち尽くしていた。それもその筈だった。梨沙は今、上半身はさっきと同じかっちりとした制服姿だったが、下半身はスカートを脱ぐよう強要され、ブラウスの下からは、ワンピースの水着の下の部分の白い布があるだけだった。どうせプールでは見せるんでしょ、このくらい色気が無いとお客なんて捕まえられないわよ、と言われ、抵抗は許されなかったのだ。暇そうにぶらぶらしていたホストや客引きの男達がいつの間にか集まり、ニヤニヤと「新人いびり」の光景を眺めていた。

 そして、なかなか声をかけることができない梨沙のために、ミサトとユウカが指導役として両脇に付くことになった。
「いい、恥ずかしがったらだめよ。明るくニッコリ、『私のストリップ、見ていただけませんか?』って言うのよ。」
「ほら、視線を下げないで、まっすぐ前を見なくちゃだめじゃない。・・・ほら、今誰もお客さんがいないから、大きな声で練習よ。」

「・・・ど、どうぞ、私のストリップ、見ていただけませんか? ご、五千円ポッキリ、ですっ!」
ホストや客引きの男達のニヤニヤした視線を浴びながら、梨沙は何度も練習させられた。少しでも声が小さかったり、照れが入ったりすると、すかさず水着だけの尻を叩かれた。裏通りとは言え、ここは昼前の新宿の公道なのだ・・・(わ、私、一体何をしているの・・・)扇情的な姿を晒して恥辱のセリフを強要され続け、梨沙は頭がぼうっとしてきた。
「・・・り、梨沙のオッパイもお尻もオマンコも、見放題です!」

(ぷっ、オマンコだって、天下のK附のお嬢様が(笑))
(可愛いお尻も叩き放題で、面白い!)
調子に乗った2人は名門校の美少女に恥辱のセリフを強要して、日頃のコンプレックスを解消していた。

そして数分の練習の後、ようやく向こうから男の3人連れが見えてきた。それは、中年風で比較的品が良さそうな感じだった。
「来たわよ、カモが。お、あれはいいわよ、梨沙ちゃん!」
「そうそう、ああいう紳士風って、金は持ってるし、無茶は言わないし、最高なのよ。梨沙ちゃん、ちゃんと捕まえなさいよ!」
2人は梨沙の耳元に囁くと、ぐいと背中を押し出した。

急に道の真ん中にスカートを穿いていない女子高生が現れたのを見て、3人の男達は絶句した。しかも、梨沙の顔が美少女なのを見て、慌てて近寄って来た。
「どうしたの、君? 何でスカート穿いてないの? それ、K附の制服だよね?」
「もしかして君、誰かに襲われたの? 大丈夫?」
「あれ、それって、水着?・・・まさか、この辺の店員じゃ、ないよねえ?」
中年の男達は心配そうな口振りをしながら、その視線はしっかりと梨沙の股間を部分に集中していた。

「・・・あ、あ、あの・・・私・・・」
事情を知らない男達に好奇の眼でじろじろ見られ、梨沙は思わず口ごもった。とても練習どおりのセリフを口になどできなかった。

「ちょっと梨沙ちゃん、ちゃんとご挨拶しなさい!」
「すみませーん、このコ、今日入ったばっかりの新人なんです、大目に見てあげてくださーい。」
見かねたように、ミサトとユウカが近くに寄ってきた。

「え、このコ、君達の仲間なの?」
「じゃあ本当にこの辺の店で働いてるってこと? こんな真面目そうなコが?」
「・・・わ、悪いけど、それなら俺達、遠慮させてもらうよ・・・」
紳士風の男達はにわかに警戒心を抱き、後ずさりかけた。

「ま、待ってください! あ、あの、私の、・・・」
梨沙の必死の声に男達が立ち止まった。こんなに可愛いコが顔を真っ赤にして何を言うのか、と好奇の視線が戻ってきた。
「・・・わ、私の、生ストリップ、見ていただけませんか? ご、五千円ぽっきり、です・・・」
こうしてついに、梨沙は最初の客を取ることができたのだった。


そしてその3人は青木が店に連れて行き、あと3人の客を見つけるまで待つことになった。絶対に10分以内に開始しますから、と青木はわざと梨沙に聞こえるように言った。

「ふう、青木さんも厳しいわねえ。土曜の真昼間からストリップ見ようなんて男、そんなにいないよねえ。」
「そうそう、こんなに天気もいいのにねえ。プールに行った方がいいよねえ。」
ミサトとユウカはそう言いながら梨沙の尻を左右から撫でていた。
「でも、頑張らなきゃね、梨沙ちゃん。今度は、この可愛いお尻をぷりぷり振りながら言うのよ。」
「10分以内に絶対ってことは、5分以内にここで捕まえられなかったら、大通りで客引きをやってもらうわよ。私達は遠くから見てるから、捕まらないように頑張ってね。」
2人は梨沙の尻と太ももを時々揉みながら、恐ろしいことをその耳元に囁いた。

しかしそれから3分間、梨沙は客を捕まえることができなかった。1人や2人で歩いている男は警戒して近付かず、他に通ったのは女子大生風の2人組やカップルだけだった。やっぱりここじゃ駄目かもね、梨沙ちゃん?、とミサトが楽しそうに呟いた。

(い、いや、そんなの!)
真昼の新宿の大通りで、スカートを穿かない姿のまま、自分のストリップの客引きをさせられる!・・・梨沙は想像したことも無い恥辱に震えた。しかも、この2人なら本当にそれを実行させかねないと思った。(あ、あと3人、お願い・・・)

するとその時、通りの向こうから3人組の男がこちらに向かっているのが見えた。(き、来た!)もはや今の梨沙には、その3人が天の恵みのように思われた。梨沙は道の真ん中に出て、3人に笑顔を向けた。

「・・・!!」
しかし次の瞬間、梨沙の顔は驚愕に固まった。(松木くん、横井くん、榎田くん!・・・い、いやあっ)

 しかし、梨沙が踵を返すよりも早く、ミサトとユウカが梨沙の両脇に立ち、それぞれの腕をがっしりと掴んでいた。
「ちょっと、何逃げようとしてるのよ、梨沙ちゃん? ちゃんと営業しなさいよ!」
「そうよ、いいじゃない、高校生だって。お客様を分け隔てしたら駄目よ!」
身体を動かせず、必死に顔を背けようとする梨沙の顎をミサトの右手が掴んだ。
「ほら、顔を上げて、ニッコリ笑って。」

 そして、梨沙が頑なに逃げようとする理由はすぐに明らかになった。
「おい、あれ何だ? スカート穿いてないじゃん?」
「本当だ、風俗の呼び込みか? 何か、結構可愛いコじゃないか?」
「あの制服って、K附属だろ・・・あれ、谷村じゃないか?」
最後の男の声と同時に、3人の男達はダッシュで近寄ってきた。
「おい、本当に谷村だぞ!! 何してるの、こんなところで?」

「ち、違うのっ! み、見ないでっ」
下半身は水着だけの制服姿で羽交い締めにされた梨沙は、首を振りながら叫んだ。

「ねえねえ、君達、梨沙ちゃんとどういう関係?」
ユウカが梨沙の後ろから顔を覗かせ、3人に声をかけた。
「あ、あたしはそこの店のユウカ。このコ、梨沙ちゃんは今日から隣の店で働くらしいわよ。」

「あ、どうも、俺、松木っていいます。」
突然色っぽい大人の女性に声をかけられ、高校生風のその男子は小さく頭を下げた。
「俺達と梨沙ちゃんは、小学校時代の同級生なんです。今日、久しぶりの同窓会で遊ぶ約束をしてるんですけど。」

「へーえ、君達、梨沙ちゃんの知り合いなんだ?」
「そっかあ、それで梨沙ちゃん、照れちゃったのね、可愛い!」
ミサトとユウカは思いがけない事態に目を見合わせて笑った。(あはは、元クラスメイトの前でストリップ! 最高に面白い見世物ね!)
「ほら、梨沙ちゃん、小学校の時のお友達なんでしょ。ちょうど良かったじゃない、営業しなさいよ。」
「さっきの練習どおり、にっこり言うのよ。・・・逃げたらどうなるか、分かってるわよね?」

「そ、そんな!」
梨沙は訴えるような眼でミサトとユウカを見た。見知らぬ人でも死ぬほど恥ずかしいのに、知り合いの男の子の前でなんて、そんな・・・その時、「杜若」から青木が出てきて、さりげなく時計を見る仕草をした。そんな、そんな、そんな・・・しかし、いくら考えても答は一つだった。性器が濡れた襞の一つ一つまで鮮明に写った写真や動画をばら撒かれたくなかったら、6人の目の前でストリップをするしかない・・・

「あ、あの・・・松木くん、横井くん、榎田くん、もし良かったら・・・その、私の、・・・ス、スト・・・ストリップ、見てくれないかな?・・・一人5千円なんだけど・・・」
ついに梨沙は、死ぬ程恥ずかしいセリフをかつての同級生前で口にしてしまった。驚愕にポカンとしている3人の顔を見るのが辛かったが、更に梨沙はにっこりと微笑みかけなければならなかった。わ、私、もう終わりだわ・・・


 3人の同窓生は、最初こそ、いやそんなことは、とか、谷村、そんなことやめろよ、などともっともらしいことを言ったものの、太ももを丸出しにして切なそうな瞳で微笑む梨沙の魅力には勝てなかった。梨沙ちゃんがそんなに頼むなら、と自分を正当化しながら、3人とも興奮を抑えきれない表情で店に向かった。3人の視線は、目の前を歩く梨沙の形のいい尻に食い込まんばかりに集中していた。


そしていよいよ、梨沙の初ストリップの舞台が整った。杜若の店内にも、ショウブ堂と同様に奥の部屋があり、そこで様々な撮影やショーが行われているようだった。

「はい、長らくお待たせしました。それでは、K大附属高校2年、生徒会長もしている優等生、谷村梨沙ちゃんの初ストリップを開催します。何と偶然、小学校時代の同窓生の3人もお客様でいらっしゃいます。梨沙ちゃんは、3人に身体の隅々まで見てもらってから、一緒に今日の同窓会に参加することになります・・・」
松木達から仕入れた知識も交え、青木は梨沙の恥辱を煽るような紹介をした。同窓会のくだりには、指導役として紛れ込んだミサトとユウカがパチパチパチ、と拍手しながら大受けしていた。
「なお、本人の希望により、今回のストリップは、写真・ビデオなど一切の記録を禁止します。生の記憶を、しっかりと眼に焼き付けてください。・・・それでは、梨沙ちゃん、どうぞ!」


 (嘘、嘘よ、こんなの・・・)同級生達といやらしい男達の視線を痛いほど感じながら、梨沙は小さな舞台の上で強要された笑みを浮かべ、死ぬ思いで恥ずかしい言葉を口にした。
「み、皆様、谷村、梨沙です・・・今日は、わ、私の、初ストリップのお客様となってくださって、誠にありがとうございます・・・どうぞ、梨沙のオッパイとお尻、オマンコ、をじっくりとご覧ください・・・」
ミサトに仕込まれた口上を口にした梨沙は、パチパチパチ、という拍手と歓声を浴びながら、全身がかあっと熱くなるのを感じた。ど、どうしてこんなことになっているの? これは本当に、現実のことなの・・・?


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