PART 17(bb)

 「・・・あ、ああ、それでいいよ・・・」
美少女の衝撃的な痴態を前にして、さすがの岩本の声も若干うわずっていた。
「それじゃあ、その状態で少しポーズを取ってもらうよ。まず、ボールを両手で胸に抱えて、にっこり笑ってカメラを見て。」
岩本はそう言いながら、床に転がっていたバスケットボールを拾い上げ、梨沙に向かって差し出した。
「罰ゲームで恥ずかしい思いをするために脱いだんだろ? それなら記念写真も取らなくっちゃ。」

 それはムチャクチャな理屈だったが、梨沙は岩本に言い返すこともできず、羞恥に頬を赤らめるだけだった。岩本部長、絶対に何か弱みを握っている・・・事情を知らない4人の男子も、ようやく今の事態を理解し始めていた。なぜか分からないけど、谷村さんは部長の命令を拒否することができない・・・でも、どこまで?

 すっかり淫靡な期待の視線に変わったギャラリーの前で、梨沙は岩本に指示されたとおりの格好を晒すことになった。いつものバスケウェア姿でまっすぐに立ち、バスケットボールを両手で前に抱えて微笑む美少女・・・しかし、その下にはパンティしか身に付けておらす、色白の太股が根本まで丸出しになっている・・・それはあまりに非現実的でいやらしい眺めだった。そして5人の男子達はその姿を前後左右から容赦なくカメラに収めていった。

 「・・・うん、いいよ、梨沙ちゃん、その笑顔、最高!」
「それにしても、脚が綺麗ですね、谷村先輩! ちょっと生白いのがエロ過ぎだけど(笑)」
「水色のパンティ、結構股浅で大胆ですね。谷村先輩も女の子なんですね。」
「おいおい、前ばっかり撮って、後ろも忘れるなよ、お前ら。梨沙ちゃんのケツ、ぷりぷりしてて、最高にスケベだぞ(笑)」
「本当だ、きれいなお尻ですね、先輩・・・あのー、パンティが貼り付いて、お尻の形が丸分かりなんですけど、撮っちゃっていいんですか?」
「ちょっと、そんなこと言って、思い切り接写すんじゃないわよ(笑)」
「神聖なコートの上で、しかもウェアの下を脱がされるってどんな気持ち?(笑)」
「今度、この格好で試合に出てくださいよ!(笑)」

 (ちょっとやめて、そんな目で見ないで・・・)
1年生にまではやし立てられても、梨沙は唇を噛んでひたすら耐えるしかなかった。


 皆でパンティ丸出し姿をすっかり堪能した後、岩本は再度のチャレンジを命令した。もちろんそれは、うまく失敗することを暗に示唆してのものだった。

 「そ、それじゃあ、いくわよ。」
梨沙はそう言うとボールを突き、ドリブルを始めた。しかしそのドリブルはいつものようにリズミカルな軽快さを欠いているように見えた。もっとも、ズボンを脱がされ、股浅のパンティだけの下半身を丸出しにしている状況ではそれも当然だった。そして、少し前屈みになり、後ろに突き出された尻を、容赦なく男子達のカメラが撮影しているのだ。さらに、ゴールの向こう側では岩本がカメラを構え、梨沙の姿を正面から狙っていた。もちろん、下半身はパンティだけの姿でドリブルし、さらにはジャンプして痴態を晒す梨沙の姿を期待しているのだ・・・そして梨沙は、その卑劣な期待に応えるしかない立場に追い込まれていた。

 ついに梨沙は、破廉恥な姿でのレイアップシュートに臨んだ。やはりその動きにはどこかぎこちなさがあり、素人目に見ても成功するようには見えなかった。そしてギャラリーの期待どおり、16歳の美少女は可愛いブラに包まれて揺れる乳房を披露した後、ゴールに向けてジャンプして、ずり上がったウェアの下からパンティだけの下半身を丸出しにして見せ、着地の時には反動で乳房が激しく上下する様子まで晒してしまった。

 「あ、残念、梨沙ちゃん、また外しちゃったね。」
指示どおり、ボールがゴールに入らなかったことを確認しながら、ゆきなが残念そうに言った。
「大丈夫、次のフリースローで入れれば、脱がなくていいんだから、頑張って!」
しかしその言葉は、次も外してもう一枚脱げ、という命令に他ならなかった。

 そして梨沙はギャラリーが見つめる中、フリースローラインに立ってボールを構えた。静止していると、露出した太股に直接空気が触れるのが感じられ、梨沙は内心で羞恥に震えた。奥手だった16歳の女子高生にとって、パンティだけの下半身を大勢の男女の前に晒しているという状況は、とても慣れることのできるものではなかった。
(これも外さなくっちゃ・・・早く、終わりにするのよ・・・)
梨沙はにやにやするギャラリーの顔を視界に捉えながら、歯を食いしばってボールを放った。(・・・いいわ、下着姿くらい、好きなだけ見れば・・・)

 そして、ボールは梨沙が狙ったとおりにリングの手前で失速した。よっしゃー、と村岡達が思わず歓声をあげるのが聞こえ、梨沙は少し後悔の念に捕らわれた。私、本当にコートの上で下着だけの姿にならなきゃいけないの・・・

 「はい、また外れー。それじゃあ仕方ないわね。梨沙ちゃん、悪いけどルールだからもう一枚脱いでね。」
さっきは梨沙を励ましたゆきなが淡々と言った。
(ふふ、同じ下着姿でも、こんな風に脱ぐのは恥ずかしい、梨沙ちゃん?)

 「あ、あのさ、次も下を脱いでもらうってのはどうかな?」
沈黙している梨沙を横目に見ながら、村岡がゆきなに向かって言った。
「どの一枚を脱ぐかは決まっていなかったんだよね?」

 「あー、それもそうか・・・でもそれって、すごい格好になっちゃうわね・・・」
ゆきなは薄く笑いながら梨沙の方を見た。
「じゃあ、リクエストに応えてそうしよっか、梨沙ちゃん?」
ゆきなは軽い口調で言ったが、それは男子達も見ている前でパンティを脱いで下半身裸になれ、ということだった。

 ごくり、と唾を呑み込む様子が見えて、梨沙は、身体中がかあっと熱くなるのを感じた。彼らが何を想像しているかは明らかだった。
「い、いやよ、絶対に! そんなこと、できるわけないでしょ!」
梨沙はゆきな、みどり、岩本をそれぞれ睨むように見つめた。
「もう私、帰ります。後は好きにすればいいわ。」
梨沙はそう言うと、さっと歩き出そうとした。

 ・・・結局、上のウェアを脱ぐことになり、梨沙は、ブラとパンティだけの半裸の格好で男女達の前に立つことになった。

 「いいね、梨沙ちゃん、おっぱいも大きいし、腰がきゅっと締まってて、お尻がふっくらと丸く膨らんで・・・くびれがエロいよ!」
きっとなった梨沙の顔を見ながら、岩本がしゃあしゃあと言って、その痴態を容赦なく撮影していった。わざと恥ずかしい部分にカメラを近付け、パシャパシャと音をさせて撮影し、その度に梨沙の顔が小さく歪む様子を楽しんだ。
「それじゃあさ、シュートの続きをする前に、ちょっとビデオカメラに向かって挨拶してもらおうかな。罰ゲームなんだから、それくらいいいいよね、梨沙ちゃん?」

 「・・・え、ええ・・・」
(い、岩本くん! 一体どこまで調子に乗るつもり!)梨沙はそう言いながら小さく岩本を睨んだ。しかし、新井の話を確かめるためのテストをされている状況では逆らうことはできなかった。
「それで、何て挨拶すればいいの?」

 そして、その「挨拶」の台詞を耳元で囁かれた梨沙は、岩本くんっと小さく悲鳴を上げたあと、力なく目を閉じた。ここまで頑張ったんだから、それくらい・・・梨沙は閉じた目を開けると、目の前のカメラに向かって小さく作り笑いを浮かべた。そして下に置いてあったバスケットのボールを左脇に抱え、ゆっくりと口を開いた。

 「初めまして、K大附属高校、2年1組の、谷村、梨沙です。・・・生徒会長をしていて、バスケ部では女子のエースをしています・・・」
梨沙はその先の台詞を口にするのを躊躇い、ちらりと岩本の顔を見た。しかしもちろん許されるはずもなく、岩本は唇に笑みを浮かべて頷くだけだった。
「・・・身長は156センチ、す、スリーサイズは、 80、58、83、です・・・そ、それでは、得意のドリブルからのレイアップシュートを、ご覧ください・・・」

 (へえ、梨沙ちゃんて高2の癖にすげえスタイルいいんだ)
(だけど、男の子も見ている前で下着になるなんて、すごいね。笑ってるけど、恥ずかしくないのかな?)
(梨沙ちゃんもあんな可愛い下着してたんだな。白に小さなリボン付きだって)
(バスト80もあるんだ、梨沙ちゃん・・・エロいおっぱいだなあ(笑))
(それよりあのケツ見てみろよ。食い込んじゃって形が丸分かり!)
全校生徒の憧れの的だった美少女生徒会長の痴態を前に、遠慮がなくなってきた男女の生徒達は、梨沙が見て欲しくない部分をじろじろと眺め、聞こえよがしのひそひそ声とくすくす笑いで更に羞恥を煽っていた。

 そしてようやくわざとミスをしなくても良い状況になったため、梨沙はいつもどおりにリズミカルなドリブルでゴール近くまで走り、流れるようにジャンプをして華麗なシュートを決めた。しかしそれは、ドリブルやジャンプで揺れる胸やお尻、股間が開いたり閉じたりする様子をギャラリーに晒すことでもあり、しかも岩本達にしっかりビデオと写真に記録されることでもあった。

 「・・・こ、これでいいのよね?」
2回連続でシュートを決めた梨沙は、更なる脱衣を期待していた男子達のがっかりした顔を見回しながら、必死に平静を装って言った。
(い、いや、そんな眼で見ないで・・・)下着を透視してしまいそうな男子達の凝視を感じ、梨沙は思わず両手で胸と下半身を庇った。

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 梨沙にとって羞恥と屈辱のバスケ練習から一週間が経った。幸い、校内新聞には梨沙の痴態が分からないような形で記事が掲載され、岩本達が写真や動画を流出させることもなかったようだった。また、バスケ部員達も、透けたウェアでの練習以来少し嫌らしい視線で見られることがあったが、梨沙が動揺せずに練習に出ることで、それも徐々に収まっていった。まさかあの練習の後、ブラとパンティだけの姿でシュート練習をしたことを知っている者はいないようだった。

 もちろんあの日の出来事はすぐに芳佳に相談した。芳佳は特に同性のゆきなとみどりの振る舞いに憤りながら同情して聞いてくれ、梨沙が我慢したことを褒めた。おそらくその動画や写真は、ショウブ堂やもっと上にも見せられているだろう。そして、今度はそれを利用して、梨沙がショウブ堂に楯突くことをやめさせようとする筈・・・その時に、誰が接触してきたかを見極めれば、芳佳の父の力で圧力をかけられるのではないか・・・それが、何度も話した二人の方針だった。

 写真部員や新井、そしてゆきな、みどり達の意味ありげな視線やにやにや笑いに恥辱を覚えながら、梨沙にできるのはひたすら反撃の機会を待つことだけだった。

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