PART 20(bb)

 その1分後。4人のアイドルの卵はプールの端、雲梯の入り口に立ち、水原の合図を待っていた。1位はともかく、3位以内に入らなければ次は何をさせられるか分からない・・・ブラとパンティに学校のリボンだけの破廉恥な格好で男達の至近距離を雲梯で渡らなければならないという羞恥を、梨沙は必死に堪えていた。他のレーンでは、智美ちゃん頑張れっ、彩香ちゃん可愛いよ、千里ちゃん負けるな、と元気な応援の声が聞こえたが、梨沙のレーンだけは静かで、にやにやした視線がブラとパンティの辺りに絡み付いていた。名門校の美少女が、これから両手を万歳にしながら身体を振り、ブラの下で揺れる乳房と薄い布だけを纏った腰を振りながら目の前を通過してくれるというのだから、それも当然だった。


(う、嘘、いやよ、こんなの・・・)
自分がすっかり男達の見世物扱いされているのを思い知り、梨沙は内心で呻いた。どうしてこんな頭が悪そうな、下品な男達の前で、私、こんな格好に・・・悔しさに思わず唇を噛んだ。

 「はい、それでは、よーい、スタート!」
梨沙がぼうっとしているその時、ついに水原がゲームの開始を告げた。梨沙以外の3人のアイドルは素早くジャンプして、最初の梯子に両手でぶら下がった。そして片手を放して前に出し、一つ前の梯子を掴んでいく。

 「梨沙ちゃん、どうしたの! もう始まってるよ!」
水原に咎めるような口調で言われ、梨沙は慌てて飛び上がり、雲梯にぶら下がった。

 (あ! どうしよう、早く、早くしなくちゃ!)
一番右のレーンの梨沙は、左側をちらりと見て、他の3人がリズミカルに前に進んでいることに焦った。でも、プールの幅は20メートルちょっとある、急いで行けば大丈夫・・・男達がすぐ下にいることは考えないようにして、梨沙も必死に雲梯を進み始めた。
(い、いや、これ以上恥ずかしいことをさせられるのは、絶対にいや!)


 ぱっ、ぱっ、ぱっ・・・一番後ろからスタートした梨沙だったが、バスケで鍛えた運動神経を生かし、見る見るうちに先行する3人との距離を縮めていった。(よし、残りはまだ半分以上ある・・・これなら行けるわ・・・)ちらりと横を見て他の3人がふらふらとしか進んでいないことを確認した梨沙は、自らの勝利を確信した。

 しかしそれは同時に、梨沙を見守る男達に、かなり恥ずかしい姿を見せつけることでもあった。下着のままで雲梯にぶら下がるということは、ブラとパンティだけの身体を、手で隠すこともできずに無防備に男達の前に晒すということだ。しかも片手を前に出して前進する時に乳房が揺れ、脚を前後に振って反動を付ける時に、開いた足や突き出された尻など、あられもない格好の下半身を男達の眼前に見せつけることになっていた。それに加え、羞恥のバスケ練習から4週間経っていたため、少し油断した梨沙はお洒落で可愛いブラとパンティを身に付けていた。周囲の男達は口々にからかいの言葉を発しながらその痴態を撮影し続けた。

 レースが中盤に差し掛かった時、梨沙はトップに立ち、独走態勢に入っていた。もっとがっちりした下着を着けていればよかった・・・そう後悔しながらも、梨沙は必死に前に進んでいた。とにかく最下位さえ脱出すればいいのだ、他の競技だって彼女たちに負けるとは思えない。あの3人、絶対運動部じゃないわ・・・

 梨沙が勝利を確信していたその時、思いがけない事態が起こった。突然、前から水を浴びせられたのだ。しゃーっ、しゃー、しゃーっ、といくつもの水の筋が伸びてきて、梨沙のお腹や脚にぶつかった。
「い、いや、な、何?」
梨沙が前を見ようとすると、今度は顔に水がぶつかってきた。
「い、い、いやあ!」
思わず手が上の梯子から外れてしまいそうになり、梨沙は両手で必死に捕まりながら悲鳴をあげた。

 「はい、それでは後半、ファンの皆の応援の開始です。先ほどご説明していますが、もう一度確認します。」
水原の声が会場に響いた。
「各アイドルの皆さんには、応援するファン10人ごとに一人、他のアイドルを妨害する要員を出すことができます。つまり、智美ちゃんファンからは4人、彩香ちゃんファンからは3人、千里ちゃんファンからは2人、です。それぞれこの、機関銃型水鉄砲で、他のコを妨害できます。但し、女の子の顔を狙ったり、手で直接触ったりすることは厳禁です。」

 (そ、そんな、ひどい・・・)
ようやく状況が分かった梨沙だったが、辺りを一瞥して、9人の男達全員が自分を妨害しようと目の前に集結していることを悟った。そして機関銃型の水鉄砲から出る水の勢いは普通のよりも遙かに強く、長く続いた。今は3つで撃たれているが、9つになったら・・・

 梨沙の心配はあっという間に現実になった。陣取った9人の男達のうち、最初の2人はまず、梨沙の右手と左手を集中的に狙った。プールに落ちたらその場で失格、というルールがあるため、こうなっては梨沙は片手を離して前に進むことが非常に困難になるのだ。そして、無防備に両手を上げてぶら下がる形になった少女に対し、男達は容赦なく残り7つの水鉄砲を向けた。そのうちの二つは横からそれぞれの脇の下を撃ってくすぐり、二つは乳房の頂点を狙い、一つは股間のクリトリス付近を、一つは後ろから尻の穴を、最後の一つは真下から股間、即ち秘裂を狙った。

 しばらくは激しく身体をくねらせて水鉄砲責めが急所に当たるのを逃れていた梨沙だったが、徐々にその動きが鈍くなると、男達の水鉄砲が狙ったところに当たり出した。
「・・・あ、あっ、あんっ・・・い、いや、いやあぁっ!・・・だ、だめっ!!」
両方の乳首、クリトリス、秘裂、尻の溝、脇の下・・・敏感な部分を一気に責められ、うぶな少女はたまらず悲鳴を上げた。な、何、この気持ち・・・いや、気持ち良くなんてないっ・・・は、早く、進まなくちゃ・・・
「あ、あん、あぅぅっ」
動きが止まりかけた梨沙の真下から水を当てられ、梨沙はまた呻いた。

 「おお、ちょっと、すげえぞ、あれ!」
「あ、ほんとだ、ちょっと見えてないか?」
「おいおい、下の方も・・・」
「ちょっと水止めてくれよ、撮りにくいから」
今度は梨沙の応援をしている筈の5人の男達の声が聞こえ、唐突に水鉄砲の攻撃が止んだ。ただし、両手を狙う2つの水鉄砲だけは続き、梨沙が前進するのを妨害していた。

 (え、な、何・・・ま、まさか・・・!?)
男達の視線とカメラが自分の身体に釘付けになっているのを感じ、梨沙は下を見た。そして、すっかりぐしょ濡れになって下着が薄く透けてしまっていることを悟った。また、ブラがびったりと乳房に貼り付き、乳首がくっきり浮き出ていることも。下の方はよく見えないが、パンティがぴったりと貼り付き、お尻の溝に食い込んでいるような感触を感じた。まさか、前の方も・・・!?

 「い、いっ、いやあっっ!」
自分の痴態に気を取られた瞬間、握りが緩くなった左手が水鉄砲に弾かれた。そして右手も外れてしまった梨沙は、一瞬空中で止まった後、どぼーん、と大きな水しぶきを上げてプールに落ちていった。はい、梨沙ちゃん失格!という水原の声と、あーあ、という男達の落胆の声が響いた。それはもちろん、梨沙がもっと快感に悶え、下着がもっとスケスケになるところを見損なったことに対するものだった。

 梨沙は、プールの端に行くために下着で泳ぐ姿を水中カメラで撮影され、プールから上がる時には両手で乳房と股間を必死に隠す姿をばっちりと撮られてしまうことになった。あはは、梨沙ちゃんの乳首って綺麗なピンクで、アソコの毛は薄いんだね、可愛いっ、とヤジとからかいの声を浴びせられ、梨沙は真っ赤になってプールサイドにへたり込んでいた。
(も、も、もういやあ・・・芳佳ちゃん、まだ、我慢しなくちゃいけないの・・・?)

 ようやく他の3人がゴールインすると、1回目のゲームの順位が確定した。1位は千里、2位は彩香、3位は智美、そして失格の梨沙はもちろん4位だった。


 「はい、それでは次のゲームです。4人はまた、さっきと同じ位置からのスタートとなります。」
水原がそう言うと、4人のアイドルの卵は再びステージのプール側の端に立たされることになった。
「それではまず、人気投票を行います・・・この時点で、みんなはどのコを応援したいかな?・・・はい、移動開始!」

 すると今度は、智美が34人、彩香が32人、千里が28人、梨沙が6人のファンを獲得することになった。もっとも梨沙のファンというのは、美少女の更なる痴態を間近で見たいという邪な気持ちで浮気した者達だった。

 そして会場の期待の視線を受けながら、水原はまず、梨沙の次のペナルティを発表した。
「えー、それでは梨沙ちゃんには、ここで水着への生着替えを披露していただきたいと思います。」
水原はそう言うと、後ろ手に持っていた水着を広げ、皆の前に掲げた。それはいわゆるスクール水着の形をしていた。そして、色はK附の水着と同じ濃紺だった。
「ま、下着よりはましだよね、梨沙ちゃん、濡れて透けたりしないし。」

 「え、これに着替えるんですか・・・」
梨沙はその水着を手渡され、困惑気味に見つめた。それは確かに下着よりはましに思われた。また、生地も少し薄い位で、水に透けたり縮んだりはしそうにない・・・でも、何かあるのではないか・・・用心深く探っていた梨沙あることに気付いた。
「あ、あの、サポーターはありませんか・・・それに少し、サイズが小さいと思うんですけど・・・」

 「ああ、サポーターは無しね。サイズもこれしかないから我慢して。」
水原があっさり言うと、梨沙の顔が引きつり、男達から歓声が上がった、
「あ、そうだ、これならあるけど、こっちにする?」
水原は思い出したようにもう一つの水着を掲げた。しかしそれは、黒い紐ビキニで、小さい布切れが紐に付いていると言った方がよい代物だった。そ、そんなの嫌です、と梨沙は即座に首を振った。

 そして梨沙は、その場でスクール水着への生着替えを披露することになった。
「あの、何か囲いは・・・?」

 ああ、やっぱりいる?と水原は少し面倒くさそうにいうと、舞台袖のスタッフに顎をしゃくった。するとスタッフは、1.2メートルほどの高さのポールを5本と、黒い筒を持ってステージに上がってきた。そして5つのポールを1メートル四方の正方形になるように並べ、その周りを黒いフィルムで覆った。一点だけは2本のポールで構成され、そこが中に入るための扉の役割を果たしていた。フィルムの幅は70センチ程度であり、下50センチはポールが剥き出しになっていた。

 え、そ、そんな、無理です、そんなの・・・半分悲鳴の梨沙の訴えには取り合わず、水原とスタッフを半ば押し込むようにして、水に濡れた下着姿の梨沙をその囲いの中に入れた。
「さ、梨沙ちゃん、早速その下着、脱いでくれるかな? 両方とも脱いでこっちに渡したら、この水着をあげるからさ。」
それは、黒いフィルムだけに囲まれた中で、一旦全裸になれと言っているのと同じだった。もはや梨沙が拒否できないと踏んだ水原達は、遠慮なく恥辱の命令を突きつけるようになっていた。

 土曜の午後の遊園地の中の一つのプールは、異様な空気に包まれていた。燦々と直射日光が注いでいるのに、そこだけがもわっと淫靡な雰囲気なのだ。その中心にいるのは、一見清楚で真面目な風貌の一人の少女だった。そして3人の少女が呆れ、また諦め顔で見つめる中、その少女は両手を背中の後ろに回し、ブラのホックを外し始めていた。

 (こ、こんなのって・・・)
黒いフィルムの囲いは1.2メートルの高さしかなく、顔を隠すことはできない。大勢の男達の前で、黒いフィルム1枚を隔ててブラを取らなければならない・・・梨沙はもはや、現実感が希薄になるのを感じていた。しかし陽光の眩しさ、肌に当たった時の熱、囲いの外から入り込む外気の流れ・・・それは紛れもなくこれが現実の出来事であることを梨沙に思い知らせていた。

 梨沙はようやくブラを外すと、左手で乳房を庇いながら、右手にブラを持った。これを渡して、次にショーツを脱いだら、私、本当に、裸になっちゃう・・・

 「ちょっと、何をぐずぐずしてるの、どうせフィルムで見えないんだから、隠さなくてもいいじゃない。」
目の前でカメラを構えながら、野々村が少し苛立った口調で言った。
「ほら、にっこり笑ってそのブラを高く外に投げ出すんだ。ストリッパーみたいにね。できないって言うんなら、僕が取りに行くよ。」


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