PART 38(bbbaa)

 「え、そんな・・・」
梨沙は表情を強ばらせた。通学中の朝の電車の中で、スカートをめくってパンティを露出させるなんて、できるわけがない・・・
「それは無理です。ごめんなさい・・・」

 「え、大丈夫だよ。私たちがしっかりと隠してあげるから。それとも何、私たちが信用できないって言うの?」
「スカートの中じゃ暗くてはっきり映らないでしょ。だから協力してあげるって言ってるんじゃない?」
「自分のこと盗撮して興奮しちゃう変態なんでしょ? それならもっと恥ずかしい格好を盗撮した方が嬉しいはずでしょ。」
「別にいいのよ、私たちは。あなたができないって言うんなら、このまま駅長室に行くだけだから。」
「そうそう、あなたの携帯にしっかり証拠の動画が残ってるんだからね。K附の生徒会長が盗撮で逮捕、なんて、すごいニュースになるかもね。(笑)」
「さ、早く決めなさいよ。動画を削除するか、条件に従うか?」

 その光景は、周囲の乗客達からは、女子高生達が仲良くヒソヒソ話をして盛り上がっているようにしか見えなかった。そして、窓際に立っている梨沙の下半身は、確かに彼らからは見えないように隠されていた。

 梨沙に選択の余地はなかった。白昼の遊園地で園内一周電車の先頭の機関車の上に全裸大股開きで括り付けられ、潮を吹きながら絶頂している動画を公開されることに比べれば、女子高生達の命令はまだ容易とすら言えた。

 「わ、分かりました・・・」
梨沙は目の前を流れる車窓を眺めながら、仕方なく右手を下ろし、スカートの前を掴んだ。そしてゆっくりとずり上げていくと、ミニスカートから太ももの上部が露わになっていった。

 『・・・お? なんだなんだ、お前、自分でスカート持ち上げてるのか?』
耳元のインカムから、黒川の驚いた声が聞こえた。何も命令していないのに、梨沙が勝手に痴態を晒す映像が見えているのだから驚くのも当然だった。
『おい、それ以上めくると、周りの客に見えるんじゃないのか?』

 しかし、周囲の女子高生達の命令はもっと過激だった。
「ちょっと、何してるのよ、もっとがばっと腰の上まであげなさいよ。」
じゃれている風を装いながら、後ろの女子高生が背中を突ついた。
「あ、片手だから難しいの? じゃあ鞄は預かってあげようよ。」
その言葉に合わせ、左隣にいた女子高生が手を伸ばし、梨沙が左手に持っていた鞄を半ば強引に引き剥がした。
「この鞄で後ろは隠してあげるから、ほら、遠慮なく、両手でがばっとどうぞ!」

 左、後ろ、右と、あちこちから背中や脇腹をつつかれ、梨沙は命令に従うしかなかった。確かに後ろや左右はがっちりガードされているから、他の乗客に見られることはなさそうだった。ただ、目の前には、ほとんどガラス張りの扉があり、車窓の景色が見えている。スカートを思いきりまくりあげたりしたら外から見えてしまう・・・

 「もう、早くしなさいよ。5秒以内にしなかったら、この携帯と鞄持ったまま、駅長室に行っちゃうからね。」
彩子が囁き、梨沙の学生証を目の前に突き出した。

 「やめて、それだけは許して・・・分かりました、しますから・・・」
梨沙はそう言うと、両手でスカートの前の裾を掴み、おずおずと引き上げていった。

 まだよ・・・もっと上げなさいよ・・・もっと・・・梨沙は結局、スカートの裾を胸の高さまで持ち上げさせられた。梨沙のパンティの前面は丸出しになり、生白いお腹も露出し、可愛いお臍までもが見えそうになっていた。

 「あはは、K附の優等生のコがすごい格好!」
「あ、いいって言うまで手を下ろしたら駄目よ。」
「水玉なんて、うぶのふりしちゃって、変態じゃない!」
名門校の美少女に痴態を晒させ、女子高生ははやし立てながら溜飲を下げていた。

 しかし一方、インカムからの声はさらに困惑を増していた。
『おいお前、一体何考えてるんだ? 俺へのサービスのつもりか?』
黒川は呆れながら、どこか楽しむようになっていた。
『・・・まあ、そんなに露出が気に入ったんなら、せいぜい楽しむんだな。やっぱり遊園地の思い出、忘れられないのか?(笑)』

 (ち、ちがう! 私、好きでやっているんじゃないわ、こんなこと・・・)
梨沙は黒川に反論したかったが、この状況ではどうすることもできなかった。お願い、もう許して・・・今の梨沙にできることは、素直に命令に従って恥を晒し、N高校の女子達の気が収まるのを待つことだけだった。

 しかし、女子高生達は、この遊びがすっかり気に入って、飽きる様子はなかった。梨沙のパンティや太もも、恥ずかしがる顔をじっくり観察しては、ひそひそと品評し、クスクスと笑っていた。

 しばらくして、電車がやや減速して通過駅にさしかかると、梨沙は顔を引きつらせた。
「お願い、もう下ろしていいでしょ。早くしないと、次の駅に・・・」

 「え、大丈夫よ、別に止まるわけじゃないんだし。」
「そうそう。だいたい、通過する電車の中をじっくり見る人なんていないわよ。」
「それにこっちは陰になってる方だから、反対のホームからだとこっちは暗くて見えないよ。」
女子高生達はそう言って、梨沙の懇願を聞き入れなかった。

 (え、そんな、いや、そんなの・・・)
急行電車は少し減速したまま、通過駅を通り過ぎようとしていた。反対側のホームには、レール1本を隔てて大勢の人たちが並んでいるのが見えた。ふと、梨沙の脳裏に遊園地での大群衆の姿が思い浮かんだ。
(やっぱり、いや・・・)
梨沙は体をぶるっと震わせると、両手で持ったスカートの裾を思わず離してしまった。

 何とかスカートの裾が落ち、ほっとした梨沙だったが、すぐに女子高生達の非難に晒されることになった。
「あー、スカート下ろしてる!」
「ちょっと、何勝手なことしてるのよ。」
「許せないよねえ、やっぱり次の駅で降りてもらおうよ。」

 「ごめんなさい、駅を通過するときだけは許して、お願い・・・」
梨沙は必死にそう懇願した。もう、遊園地の時のような思いだけはしたくなかった。

 「あのさあ、梨沙ちゃん、さっきから疑問なんだけど・・・」
彩子が隣から話しかけてきた。
「それならさ、素直にこの録画を中止して、動画を削除してくれればいいんだけど?」

 「いえ、あの、それは・・・ごめんなさい、今はちょっと・・・」
女子高生の当然の疑問にうまく答えることができず、梨沙は苦しげにそう言うしかなかった。それは黒川に禁じられていたからだったが、仮に禁じられていなくても、同年代の女子に対して、遊園地で味わわされた恥辱を明かすことはできなかったかもしれなかった。

 「ふーん、今はちょっと、ねえ・・・ひょっとして、私たちのこと、馬鹿にしてる?」
彩子がちょっとかちんときたように言った。梨沙が小さく首を振るのを見ても納得できなかった。
「そう・・・じゃあ、いいわ、動画は削除できないのね・・・それじゃあ、そのスカート、脱いじゃってくれる?」

 「え? そ、そんな・・・」
目の前を流れる車窓の風景を眺めながら、梨沙は絶句した。朝の電車の中で、スカートを脱ぐなんて・・・しかし、今の自分には逆らうことができないのだ。何があっても、アイリスの黒川の機嫌を損ね、遊園地の動画を流出させるわけにはいかないのだ。また、N高校の女子高生達が梨沙を駅員に突き出すことを躊躇しないことも明白な雰囲気だった。背中をつつかれながら、梨沙は諦め、小さく頷いた。
「わ、分かったから、他の人に、見えないようにして・・・」
大丈夫よ、と囁き返す女子高生達の声が聞こえた。

 ガタンゴトン・・・朝の通勤電車は、いつもの通り順調に走り続けていた。周囲の乗客達もいつもと同じようにしているのだろう・・・それなのに私は・・・梨沙はそう思いながらも、自ら痴態を晒すしかなかった。背中をつつかれる中、梨沙はついに、スカートのホックに指をかけた。

 『おい、どうした梨沙。もっと脚を開けよ。』
状況が分からない黒川が、脚を閉じている梨沙に不審を感じて言ってきたが、その後の中継映像に驚愕することになった。
『・・・おい、お前、何をしているんだ!?』

 黒川が驚くのも無理はなかった。中継映像の画面を暗く覆っていた黒い壁が急に外れ始めたのだ。そして黒い壁がさっと落ちると、一気に明るい映像の中央に白い太ももと水玉のパンティがはっきりと映し出された。
『お前、スカート下ろしたのか!?・・・大丈夫なのか?』
さすがの黒川も少し慌てているようだった。
『無理するな。見つかったら終わりだぞ。』

 しかし、梨沙の周囲の女子高生達は、呆れながらも許す気は全くなかった。
「へえ、命令されたらスカート脱いじゃうんだ。すごいねえ、K附の生徒会長さんは。」
「ねえねえ、朝から公共の場所でパンツ丸出しで恥ずかしくないの?」
「きゃあ、水玉だって、可愛い!」
「結構小さめじゃない? 大胆すぎませんか、生徒会長さん?(笑)」
「ちょっと、手で隠したら駄目よ。両手は真っ直ぐ横で下ろしておくこと!」
名門校の優等生美少女を、通学電車の中で下着丸出しにさせた・・・それはN高校の女子達にとって、この上なく愉快な出来事だった。

 お願い、もう許して、という梨沙の懇願は聞き入れられず、梨沙はパンティだけの下半身を電車の外に向かって晒し続けることになった。目の前には多くの住宅やビル、マンションが見えていた。マンションのベランダで洗濯物を干している主婦、踏切で待っている車や通行人・・・高速で通り過ぎているからまず見えてはいないとは言え、梨沙は生きた心地がしなかった。しかしまた、遊園地での恥辱を思い出し、さらに連続絶頂の記憶までもが蘇り、身体の奥がじんと熱くなってきたことに動揺していた。嘘でしょ、どうしてなの・・・

 そして間もなく、梨沙はさらなる窮地に陥ることになった。電車が減速し始めたのだ。次の駅に停車する!梨沙は戦慄して震えた。
「お願い、もういいでしょ・・・」
梨沙は思わず腰を少し屈め、足下に絡み付いているスカートを掴もうとした。

 「え、何言ってるの? まだだめよ。」
彩子の声は対照的にのんびりしていた。
「ほら、ちゃんと立って。スカートも落としちゃうのよ。えいっ」
彩子はそう言いながらしゃがむと、梨沙のスカートを掴んで足下まで引き落とした。さらに梨沙の足首を片手で掴んで持ち上げ、そのスカートを抜き取った。
「・・・これは私が許す気になったら返してあげる。文句があるなら警察に訴えてもいいわよ。ま、逆に盗撮の罪で捕まると思うけどね。(笑)」


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