PART 44

「おおおっ」
 ついに聡美の生尻が開陳され、男子たちの間から歓声が起こった。
「やっぱ、いいケツだよなあ、張りがあってぷりんぷりんしてて」
「見せびらかしたくなるのも、無理ないか……あ、聡美ちゃん、何、眼をつぶってんの? ほら、ぱっちり開いてみんなを見なよ」
「それに、笑顔も忘れちゃ駄目じゃん。ほら、楽しそうににっこり笑って。もっちろん、これも、『指示』だぜ」

 今の聡美は、命令に逆らうことができない。できることなら、眼をつぶったままこの場から逃げ出したかったが、仕方なく、言われたとおりに眼を開いた。
「い、いやっ、お願い、見ないでっ! や、やめてっ、撮らないでぇっ」
 にやにやと自分を見つめる男子たち、それから至近距離で自分の裸の下半身を記録するビデオカメラが視野に入り、聡美は思わず叫び声を上げた。

 確かに、今までも数々の痴態を晒してしまっていたが、いつも、その状況において、少しでも恥を減らそうと努力していた。そして、せめて皆と視線を合わせないことができた。

 しかし、今はそのどちらも認められていなかった。淫乱性チェックの名の下に、聡美は、裸の尻を晒した姿で、クラスメイトとビデオカメラに向かい、にっこりと微笑まなければならないのだ。それは、無理やり裸の股間を拡げられるのに勝るとも劣らない恥辱だった。
(あと19分……お願い、早く終わって……)

 聡美の必死の願いをあざ笑うかのように、高橋が笑いながら指示を出す。
「あ、パンティは完全に脱がなくていいや、そのまま、膝の辺に絡めといて。どう、恥ずかしい?」
 そう言って、高橋はビデオカメラを、聡美の尻から20センチの距離まで接近させた。
「うわっ、こりゃすげえや。お尻の割れ目ばっちり撮れたよ」
「お尻の穴が見えねえないけど、ま、いっか」

「い、いつまでこの姿勢を続けるんですか?」
 抗議することすら許されない聡美は、質問の形で高橋に訴えた。

「あ、そうだよね、時間も無いしね。じゃあ、今度はその格好でさ、さっきのやつ、もう一回やってよ。ほら、『男子のみなさま、聡美のお尻、見て見てぇっ』、お尻ぷりぷり、ってさ。あ、ちょっと修正しよっか」
 高橋は、聡美の耳元に口を寄せ、何やら小さく囁いた。聡美の顔が小さく歪む。
「さ、聡美ちゃん、早くしてねぇ。はいみんな! いーーち、にーーい、……」

「わ、分かりましたあ!」
 観念した聡美が叫ぶと、合唱がおさまった。気位の高い聡美が、裸の尻を露出させて男子に向かって振り立て、屈辱的なセリフを言わされる瞬間を見逃すまいと、視線に力が入る。

「S高校2年1組クラス委員の白石聡美です。私のお尻、かわいいでしょ? ほら、見てみてぇ」
 聡美は指示された言葉を口にすると、突き出した尻をぷりっ、ぷりっ、ぷりぷりぷりっ、と振った。
(どうして高橋なんかに命令されてこんなこと……悔しい……)
 内心の思いとは別に、聡美は引きつった笑顔を浮かべなければならなかった。

 優等生クラス委員が露出した尻を振り立てさせられる恥辱・屈辱を目の当たりにしたクラスメイトは大喜びだ。 
「うん、かわいい、かわいい! ほんとにぷりぷり、むちむち!」
「お尻丸出しで笑ってられるのって、やっぱ、露出狂だよなあ」
「ま、いつもどおり『あれは強制されてたんです』なんて言いたいんだろうけど、後であそこをチェックすれば、そんな言い訳もできなくなるな」

(うそよ、こんなの。あと18分……早く、早く終わってぇ……)
 聡美はせめて眼をふさぎ、耳を両手で覆って少しでも現実から眼を背けたかったが、いずれも許されなかった。

「はい、それじゃあ、次行くよー。えーっと、まず立ち上がって、パンティを取って」

 ようやく体を二つ折にして尻を露出する姿勢を解かれた聡美は、急いで体を戻し、一瞬躊躇ったのち、膝に絡まったパンティを足首から抜いた。

「じゃあ今度は、スカートの裾を持ち上げてウエストに入れて、……そうそう。で、その格好のまま黒板を向いて……」

 聡美は人形のように高橋の言いなりになるしかない。せっかく隠した尻をまた露出させられる恥ずかしさに、聡美はまたも唇を噛み締める。

「はい、そこのチョークを持って。……今度は黒板のこっち側に、『S高校2年1組 白石聡美』って書いて」

 聡美は尻丸出しの後ろ姿をクラスメイトに見せつけながら、自分の所属と名前を書くという屈辱を甘受しなければならなかった。背を向けているので視界には入っていないが、男子たちがどんな眼で自分の後ろ姿を見ているか、聡美にはいやと言うほど分かった。
 そして、容赦なく浴びせられるカメラのフラッシュとシャッター音が、一部始終を記録されている現実を思い知らせる。

「もう、消してもいいですか?」
 指示どおり黒板に名前を書いた聡美は、黒板に顔を向けたまま質問した。

「あ、ちょっと待って、そのまましばらくいて……はい、顔だけこっちを振り向いて。眼はぱっちり開けて、にっこり笑顔で、だよ。もう言わないからね」

 聡美は仕方なく、顔をクラスメイトの方に向けた。

「はい、そのままそのまま、うん、その笑顔いいねえ!」
 カメラマン気取りの高橋のビデオカメラが、聡美の全身を嘗めるように記録していく。同時に、5台のカメラが思い思いのアングルから聡美の痴態を記録する。

「よし、これぐらいでいいかな……」
 高橋はそこで間を置くと、意味ありげにクラスメイトを見回した。
「あと17分か。じゃあそろそろ、いきますか?」
 その意味を悟ったクラスメイトから、意義なーし、の声が上がった。

「はい、聡美ちゃん、今度は体ごとみんなの方を向いて……」

 聡美は最悪の事態を予感しながらも、命令に逆らえない。(ま、まさか……いやよ、お願い……)

「はい、じゃあ、スカートの前を大きくまくり上げて! もちろん、自己紹介も忘れずにね」

 時間を惜しむ男子達の間から、高橋の言葉が終わり切らないうちから、いーーち、……、と合唱が始まった。
「いよっ、待ってましたあ! 美少女クラス委員さんのオ○ンコ披露!」
「そろそろ濡れて来たかなー? みんなでチェックしてあげるよん」
「にっこり笑顔での自己紹介もよろしくねー。あ、黒板の名前も入るように立ってよ」
「さ、どうぞ! にーーい、さー……」

 追い詰められて逃げ場の無い聡美は、泣き笑いのような表情を浮かべながら、スカートの裾に手をかけた。
(もうすぐ終わりなんだから。あと17分だけ、頑張るのよ……)

 3つカウントされれば今の努力が全て水泡に帰してしまうので、躊躇っている時間は無かった。聡美は、死にたいくらいに辛い思いをこらえ、裾を掴んだ手を持ち上げた。

「S高校2年1組の白石聡美です」
 クラスメイト全員が注視する中、ノーパンでスカートを自ら捲り上げて股間の恥毛を丸出しにし、にっこり笑顔で自己紹介……あまりの恥ずかしさに、聡美は、身体の奥で何かが反応するのを感じた。

(あ、そ、そんな、……だ、だめ……)
 チェック結果がもし、淫乱、になったら……聡美は、最悪の可能性の予感に首を振った。
(ああ、だめ、……出ちゃだめ……)

 しかし、そんな聡美におかまいなく、ビデオとカメラは聡美の恥辱の姿を克明に記録していく。

 そして美智代は、聡美の笑顔の中に小さな困惑の表情を見い出し、ほくそ笑んだ。
(ついに来たようね、聡美ちゃん。そろそろ、追い込みに入りましょうか)

「それじゃあ、ここで中間チェック、してみましょうか」
 突然美智代がそう言うと、その瞬間に主導権が高橋から美智代に移ったのが、その場の皆に分かった。男子も女子も、美智代の手腕に期待して眼を輝かせる。そして、その視線は、露出した聡美の股間に集中していた。

「え、何……」
 いやな予感が現実にならないように祈りながら聡美は訊いた。手を離したため、スカートがようやく本来の役目を果たし、皆の視線から恥毛を隠した。

「だから、中間チェック。これをね、かるーく、あそこに差し込んで、そのまま抜いて頂戴」
 美智代はそう言ってタンポンを差し出した。
「かるーく、よ。それで感じちゃわないようにね」
 最後の厭味に、ギャラリーから失笑が起こった。

「そんな! チェックは最後に1回でいいじゃない……」
 聡美は、過度に刺激しないように注意しながら訴えた。クラスの皆の注視を浴びながら、股間に異物を挿入する姿など見せたくなかった。

「だーめ。また時間稼ぎ? そうだ、ロスタイム導入しましょうよ。今までのロスタイムはあれやこれやで、まあ5分くらいかな。適正なチェックのための提案ですが、みなさん、よろしいですか?」
 異議なーし、の合唱にうなずいて、美智代は続けた。

「それからさ、これからは聡美ちゃんが文句を言うごとにロスタイム3分延長ってことにしたいけど、いいかな」
 即座に異議なーし、と合唱が起こった。

「聡美ちゃん、下手したら、休み時間までストリップして過ごすつもり?」
「次の授業に食い込んだらどうする? すっぽんぽんで授業受けさせよっか?」
「放課後になったら、やっぱ、他クラスの生徒も入ってくるよなー?」
「そうだな、あっと言う間に話が広まって、全校中の男子が集合するんじゃねぇか?」
「いやあね、聡美ちゃん、ひょっとして、それが狙いだったりして」

 男女の楽しげな会話の肴にされた聡美は、黙って屈辱に耐えるしか無い。
(あと20分だけ……何を言われても耐えるしかないわ……)

 聡美は美智代の差し出したタンポンを受け取った。どうせ避けることはできないなら少しでも早く終わらせたいと考え、皆のカウントが始まるよりのを待たず、すぐに右手をスカートの中に差し込んだ。

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