PART 57

 「あららあ、せぇんぱい、やっぱりお尻の穴に入れて欲しいんでしょ? ほら、よく言うじゃないですか、『へっへっへ、身体は正直だな』、とか」
泉の中途半端な冗談に小さな笑い声が起こった。

 「ち、違います! 私、そんな変態じゃありません!」
聡美は力強く言った。
(ど、どうしてうまくできないの? も、もう嫌あ!)

 泉は小さく肩をすくめた。
「そんなふうに言わなくっても・・・だって、先輩、私の想像をはるかに超える変態みたいなこと、笑いながらできるんですもの。」
泉の皮肉に、聡美は顔を赤らめた。確かに、クリト○スと肛門を丸出しにした姿で変態じゃないと主張しても説得力は低いだろう。
「まあ、いいです。じゃあ、どこに入れて欲しいか、口ではっきり言って下さいよぉ。」

 「は、はい・・・」
聡美はあきらめたように言葉を続けた。
「タ、タンポンを、わ、私のあそこに入れて下さい・・・」

 「違うでしょ、何度も言わせないでくださいよ・・・」
泉は溜め息をつきながら聡美にささやく。
「・・・ってね。私にはとっても無理ですけど。」

 (い、泉ちゃん、ひどい・・・)
 しかし、聡美はカメラを見つめて恥ずかしい言葉を口にするしかなかった。
「さ、聡美のオ○ンコに、ぶっといの、思いっきり入れてぇ!」
 そう言いながら、聡美は恥ずかしい穴をさらに突き上げた。

 聡美の希望どおり、タンポンは聡美のヴァギナに、ゆっくりと挿入されていった。もちろんその様子は、聡美の恥辱に悶える表情とともに、逐一2年1組に送信され、そのパソコンにしっかりと保存されていく。
 「・・・く、くぅ・・・」
 衆人環視の中、全裸で大股開きに縛られ、女性の最も大事な部分に異物を挿入される様子を見世物にされる・・・
(こ、こんなの、あ、あんまりよ・・・ひどすぎる・・・)

 しかし、今の聡美には感傷に浸ることすら許されなかった。その時突然、
「ガチャッ、ガチャッ」
と倉庫のドアノブを捻る音が響いたのだ。1年生たちは、予想外の出来事に驚いたように、顔を見合わせた。

 「え、誰?」
 聡美は悲鳴のような声を上げた。1年生たちの強ばった表情を見ると、それが想定外の事態であることは明らかだった。
「ほ、解いて、早く!」
 聡美は必死に訴えた。縛られていては、逃げることすらできないのだ。

 「まあまあ、落ち着いて。ほっとけば諦めるわよ。」
 泉は気休めを言った。
「もし見つかったら、学校非公認のクラブ、SM研究会の活動って言いましょうか・・・じょ、冗談ですよお、怖い眼で見ないでくださぁい。」

 しかし、泉の希望的観測は外れ、今度はドアが何度もノックされることになった。
「ちょっとお、誰かいるんだろ? こっちは急いでるんだよ! 用務員室に行ったら、鍵は貸出中って言ってたぞ。なんなら、外に回って窓こじあけて入るからな、修理代、弁償しろよな。」

 (・・・ま、窓!)
 今は倉庫室だが、設計当時は職員室だったため、校庭側の面には窓が作られていた。カーテンが閉められているため、外から痴態を覗かれる心配は無いと思っていたが、こじあけるとなれば話は別だ。立て付けが悪く、修繕もされていないため、ちょっと揺すればすぐに取れそうな気もした。
(・・・ど、どうしよう・・・!)
 切迫した危機に、聡美は震えた。
「お願い! ロープを解いて!」
 窓際で股間を丸出しにして縛られていては、見つからない方が不思議だった。

 しかし、1年女子たちは聡美の懇願を完璧に無視した。ドアのそばまで移動し、何事か打ち合わせをした後、
「じゃあ、開けるわよ!」
 という泉の声とともに、扉が内側から開かれる音がした。

 「・・・なんだ、お前らか。何してたんだよ?」
 そこには1年3組の二人の男子が立っていた。倉庫で女子が5人もたむろしていれば、不審に思うのも無理は無かった。幸い、聡美が縛られている窓際との間には、積み重なった本棚や机があり、ガード役を果たしていた。
「・・・ともみちゃんはいないのか?」

 「あら、ともみちゃんだけいなくて、悪うございましたね。」
 会話のきっかけをうまく使って、泉が答えた。
(まじめそうな顔しちゃって。憧れのともみちゃんのお尻丸出しビデオがあるっていったら、幾ら出すかしら?)
「だけどさ、こっちも大事な探し物で、部屋中引っ繰り返してるとこなの。だから、勝手にあちこち触らないでほしいわけ。で、何が欲しいの? 取ってくるから・・・」

 体よく二人を追い返した泉たちは、窓際に戻った。
「どう、聡美先輩、私の頭の回転もなかなかのもんだと思わない?」
「だけど、先輩も可哀想ねぇ。見つかるかもって時でも、アソコとお尻の穴おっぴろげたまんま、なんですもんねぇ。」
「良かったですね、私達が逃げなくって。感謝の言葉の一つでもあっていいんじゃないかしら?」
「何ですかその顔は? あ、本当は邪魔して欲しくなかったんですかあ?」
「何なら、さっきの二人、呼び戻してもいいですよ。」

 聡美は強制された感謝の言葉を口にした後、恥ずかしい依頼もしなければならなかった。
「あの・・・そろそろ、これ・・・取ってもらえませんか?」
 秘部の入り口から覗いているタンポンが、卑猥さを一層増していた。

 「あ、ああ、そうそう。聡美先輩の淫乱度チェック、でしたっけ? じゃあさっそく。」
 泉はうなずきながらそう言うと、あっさりとタンポンをつまんで引き抜いた。もちろん、その一部始終は他の女子に預けた携帯のカメラが2年1組へ実況中継している。

 泉は、意地悪にも抜いたタンポンを携帯端末のカメラの前にじっくりとかざした。
「じゃあ、図りますねえ。もとは何グラムでしたっけ?」

 『7.2グラムよ。中間チェックですでに0.3グラム計測したから、・・・えーと、7.9グラムになったらゲームオーバーよ。』
 スピーカーから「風紀委員」の美智代の声が響く。
『そしたら、聡美ちゃん、淫乱性って認めて、みんなの前でオナニーと、男子にフェラ、するのよねぇ。』

 「うっわあ、すっごい。そんな約束してるんですかぁ?」
「みんなの前でオナニーって、先輩、どういう神経してるんですかぁ?」
「それより、男子にって、全員にアレ、するんですかあ?」
「すっごーい、私たち、見学に言ってもいいですかあ。」
「賭けに負けたらって、もうぐしょぐしょじゃないですかあ?」
「1グラムどころか、1リットルくらい出てきそう(笑)」

 卑猥なまんぐり返し姿を上から見下ろされ、容赦の無い蔑みの言葉を浴びせられた聡美は、必死に言った。
「だ、だから、本当は、淫乱じゃないの。だから、こんなことをしたってなにも出てこない筈なの・・・本当よ」
 恥ずかしい部分の濡れ具合を嫌というほど詳細に観察されてしまっていては、そんな言い訳にほとんど説得力は無かった。

 「ふん、まあ、いいです。量れば結果はすぐ出ますからね。その代わり、ゲームオーバーだったら先輩のフェラビデオ、みんなで見させてもらいますからね。」
 泉は電子はかりにタンポンを乗せながら言った。皆、その結果に集中して、一瞬の静寂が訪れた。

 (お、お願い・・・)
 強気な言葉とは裏腹に、正直自信の無い聡美は必死に祈った。

 「・・・あれ?」
 注目を一身に集めている泉は、小首を傾げると、一旦電子はかりのスイッチを切ってから再起動した。
「・・・うーん、やっぱり変わんないや。結果は・・・えーと、7.4グラムくらいかな」

 (よ、よかった・・・)
 聡美は一筋の光明を見出した気持ちだった。
(まだ0.5グラム。何とか教室に帰ったら、あと10分、耐えればいいのよね。だ、大丈夫、何とかなるわ・・・)

 当然、2年1組からは大ブーイングだ。
『えー、んな訳無いじゃん。ちょっと、そのはかり写してみてよ』
 泉が携帯のカメラで電子はかりを映すと、しばらくの沈黙があった。その後、わっと言葉が続いた。
『きっとあれだよ。屋上でさんざん濡らしてたけど、走った時に流れちゃったんだよ』
『それにさ、非常階段降りる時ってカメラに映ってないじゃん』
『そのときに、アソコに指突っ込んでぬぐっちゃったんだろ』
『そっかあ。じゃあしょうがねぇ。今の全部、やり直すかあ? きちんとしたルール作ってさあ。』
 そうだそうだ、という同意の声が続いた。彼らにすれば、高嶺の花だった白石聡美の口唇奉仕がかかってるのだから、その必死さも当然と言えた。

 そんなのひどい、と聡美が反論する前に、携帯の向こうから美智代の声が響いた。
『なに無茶言ってんのよ。ルールはルールよ。実施前の変更は理由があればいいけど、実施後の変更は絶対に駄目。たとえ、聡美ちゃんが非常階段でずるをしてたとしても』

(何言ってるのよ! 素っ裸で非常階段に放り出されて、時間も無いのに、そんなところに指を入れていられる訳無いじゃない!)
 しかし一切の反論を禁じられている聡美はもちろん、その思いを口にはできない。それに、美智代の意見は結果的に男子たちから自分を擁護してくれるものなので、反論は得策ではなかった。

 美智代は少し間を置き、反論の声がないのを確認すると、さらに続けた。
『そこでね、残りの時間についてちょっとルール変更の提案をしたいの。今の男子の意見ももっともな部分はあったから、こうしたらどうかな・・・』

 その場の全員が、美智代の次の言葉を聞き漏らすまいとしていた。美智代はある意味、聡美以上に演説が巧かった。


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