PART 9

 そして演技終了の25秒前、陽菜が慌てた口調で言った。
「あ、せ、先輩、駄目っ! 胸が見えてますよ!」
「いやだ、ブラの紐が解けちゃってる、先輩、可哀想!」
美加の悲鳴も続いた。

 その声が耳に入り、麻由香は動揺を抑えきれずに目を見開いた。
(・・・う、うそっ!?・・・)
しかし暫くは胸を確認中できるポーズにはならならいため、麻由香は演技を続けるしかないと覚悟した。
(さっきだって、二人は股間が見えてるって言ってたけど、怪しかったじゃない。今度だって本当は大丈夫・・・)
 
 しかし、露わになった美しい乳房を弾ませながら顔を紅潮させて演技を続ける美少女の姿は、あまりにも刺激的過ぎた。
「おお、麻由香ちゃんのオッパイ!」
「すっごい美乳! 乳首もほんとにかわいいピンク!」
「けど、生白いオッパイを男の前で嫌らしく揺らしちうなんて、麻由香ちゃん最高!(笑)」
「そんなにしてぶるんぶるん振らなくてもいいじゃん、ほんとにAV以上のサービスだね(笑)」
「おい田之倉、ちゃんと撮ってるだろうな。このビデオ売ったら、部活動の援助金なんか目じゃない儲けになるぞ。」
「もちろん撮ってるって! 天下の新体操お嬢様のオッパイ丸出し演技! とりあえず校内で売ってみようか。一本2万円は取れるかな(笑)」

 「そ、そんなっ!  あっ、い、いやあぁっ!」
必死に耐えていた麻由香だったが、ようやく自らの晒す痴態を認識して悲鳴を上げた。そして、頭の上でロープをくるくる回すシーンで、手さばきを誤り、自らの体にぐるぐる巻きつけて、転んでしまった。
「あ、あ、駄目っ、こ、来ないでっ」

 しかし、胸を丸出しにしたまま自らの腕ごとロープに巻かれて仰向けに倒れた美人女子高生を前に、男子達はすかさず周囲を取り囲んだ。
「はーい、残念でしたあ!」
「つーか、わざと失敗してないか、麻由香ちゃん? 自慢の体、本当はぜーんぶ、見て欲しいじゃないの?」
「 けどさ、もうオッパイもお尻も見られちゃって、後はお尻の穴とアソコだけだよな、麻由香ちゃん?」

 「い、いやあ、み、見ないで、見ちゃ駄目ぇっ!」
麻由香は身体に巻きつくロープを必死に解いて身体を起こし、ブラを急いで直した。(う、嘘、男子達が大勢見ている前で、わ、私、裸の胸を・・・そんな・・・)

 「もう遅いよ、麻由香ちゃん(笑) 白くて綺麗なオッパイも、ちょこんとした可愛い乳首も、もう全員のまぶたに刷り込まれてるよ。」
「あはは、いつも高飛車だった麻由香ちゃんも女の子だねえ、そんなに恥ずかしがっちゃって!」
「だけど、オッパイ丸出しで踊る全国レベルの女子って、きっと麻由香ちゃんくらいだよなあ(笑) このビデオ、絶対に高く売れるって。」
「それじゃあちゃんと撮れてるか、みんなで確認しようぜ。田之倉くん、リプレイ、お願いしまーす!」

 「い、いやっ、やめてっ! 田之倉くん、お願い・・・」
麻由香は田之倉を見つめて懇願した。

「はいよ、じゃあスローモーションでいくよ」
しかし、美少女の哀願も空しく、田之倉は手馴れた様子で端末を操作した。

 大スクリーンには、極小ビキニを身に付けてロープの演技をする美少女の姿が映し出された。
「よし、ばっちり映ってるぞ、この調子なら、オッパイも・・・(笑)」

「い、いやっ、映さないで! ・・・あ、そ、そんな・・・ひ、ひどい、み、みんな、最低よ!」
麻由香は思わず叫んだ。(こ、こんなことって、ひどい、あんまりよっ)

 「何言ってんだよ、こんな格好で新体操踊る女の方がよっぽど最低だろ! 新体操界の恥だな(笑)」
「そうそう、何なら、S高新体操部の皆さんに見せてもいいんだぜ。」
「あは、そりゃいいな。S高きっての美人の優等生さんが、一年生二人引き連れてN高校にわざわざ特別練習に来て、バスケ部員の前でこんな演技してたって知ったら、あいつら、どんな顔するかな?」

 「そ、そんな・・・や、やめて、そんなの・・・」
麻由香はそれ以上何も言えなくなり、自分の恥ずかしい動画が大スクリーンに映されるのを見るしかなかった。

 そして麻由香は、その映像の途中で予想外の事態に驚愕した。
「え、う、嘘、どういうことっ?!」
スクリーン上では、麻由香のブラの紐が解け、すっかりブラがずり上がって乳房が露出していた。しかしそれは、陽菜達が悲鳴を上げるよりも30秒近く前、即ち、ボトムの紐が解けそうだと指摘された後だった。
「嘘! ど、どうして、・・・え、は、陽菜ちゃんっ!?」
もしかして、私が胸を出していることに気付かないように、わざとボトムのことを言ったのではないか・・・後輩の底意地の悪さに麻由香は震えた。

 「え、どうしたんですか、先輩?」
陽菜は何のことか分からない、という表情で麻由香を見た。
「・・・ああ、この時、私達、下の紐ばっかり気になってて、ブラのことは気づきませんでした。」
「ごめんね、先輩。だけど、きれいな胸ですね、おっきくて、白くて、柔らかそうで、羨ましいな。」
陽菜と美加はあっけらかんと言った。

 そ、そんな筈ある訳無いじゃない・・・胸を露出しているのを見てて気付かないなんて、絶対に・・・しかし、麻由香は喉まで出かかったその言葉を呑み込んだ。

 それはつまり、陽菜と美加が、佐々岡と田之倉達と組んで、麻由香を罠に嵌め、今日の恥辱地獄を演出していることになる。
 そして、例えそれが事実だとしても、それを指摘して事態が好転するとは思えなかった。どうせ二人は否定するだろうし、麻由香に気付かれたと分かったら、逆に開き直ってもっと恥ずかしいことをさせて、動画を撮らせるかもしれない。・・・大勢の男子達に弄ばれる裸の自分を想像して、麻由香は内心で震えた。

 それなら、あえて罠に気付かない振りをして、できるだけ穏便に済ませる方が得策ではないか・・・そして、終わった後に二人に働きかけて、田之倉のビデオを処分させるように仕向ければ・・・しかし、そううまく行くだろうか?
 いやもしかしたら、本当に二人は気づかなかったのかもしれない。第一、今回ビキニとは言え裸で演技しないで済んだのは、陽菜が一生懸命交渉してくれたお陰ではないか・・・


 麻由香が混乱した頭をまとめることができずにいると、恥辱のビデオリプレイが終わり、麻由香の乳房と乳首がばっちり高精細に記録されていることが確認されてしまった。唯一、麻由香にとって幸いなことに、今回は、皆に囲まれてのやり直し、を要求されることはなかった。


 そしてタイミングを見はからって佐々岡が言った。
「さてと、それじゃあ、次、だな・・・」
佐々岡は麻由香を見た。
「それで、さっき言ってたよな、麻由香ちゃん? 万一、失敗したら、オマンコ丸出しで演技、だっけ(笑)」
その視線は、極小ビキニで辛うじて覆われた麻由香の股間を見つめた。

 「え、そ、それは・・・」
麻由香は今度こそ言葉に詰まった。確かにそう言ったし、今度だけは許して、というのもこの前限り、と念を押されていた。
「あ、あの、本当にごめんなさい、だけど・・・」

 「まさか、また、裸になるのは許してって言うんじゃないだろうな?」
機先を制して佐々岡が言った。えー、そりゃないだろー、もう2回許してんだぞー、とブーイングが湧いた。

 「ご、ごめんなさい、だけど、そんなの、む、無理、です・・・」
麻由香は必死に頭を下げた。
「お、お願い、他のことなら・・・」

 「何でもしますから、って言うんだろ? それもさっき聞いたよ。」
佐々岡がまたしても先回りした。
「それじゃあ、素っ裸になってオマンコを見せる代わりに、どんな恥ずかしいことをしてくれるの? こいつらが納得できる代案を出してくれよ。」

 「だ、代案って・・・」
麻由香はまたも絶句した。具体的に考えがあって言っているのではないのでそれも当然だった。大体、これ以上恥ずかしい姿など想像できない。

 「おいおい、何も考えないで言ってたのかよ。代案が無いなら、約束どおり、素っ裸になって全部見せてもらうしかないな。」
佐々岡が呆れたように言った。
「陽菜ちゃんならきっと助けてくれるだろうけど、麻由香ちゃんは後輩を信じてないみたいだからなあ。」

 「陽菜ちゃんが・・・」
麻由香が見ると、陽菜が視線を返し、小さく頷いた。
「は、陽菜ちゃん、さっきはごめんなさい、お、お願い・・・」

 「あら、私は気にしてませんよ。」
陽菜はにっこり笑った。
「先輩が裸を見られないようにできるかもしれないので、ちょっと待ってて下さいね。」
陽菜は佐々岡の近くにより、耳元に自分の考えを話した。

 「仕方ないな、それで手を打つか。ま、みんなも何とか許してくれるだろ。」
佐々岡は頷くと、麻由香の方を見た。
「先輩思いの後輩に感謝するんだな。陽菜ちゃんの言うとおりにすれば、試合用のレオタード、返してやってもいいぞ。あ、それから、種目もバトンでいいぞ、得意なんだろ?」

 「え、本当っ!? わ、分かったわ。・・・ありがとう、陽菜ちゃん。」
麻由香は陽菜が何を言ったか気になったが、予想外の言葉にほっとした。試合用のレオタードを着れれば、演技に集中できる。

 「それじゃあ麻由香先輩、立ち上がってください。」
陽菜はにこりとした笑顔のまま言った。
「そしてまず、こう言ってください・・・」

 「え、そ、そんな・・・」
極小紐ビキニだけを身に付けた麻由香は、陽菜の言葉に顔を引きつらせた。
「そ、そんなの、無理よ・・・何か、他の案でお願い・・・」

 「ほらほら、また勘違いしちゃって。陽菜様の命令は絶対だろ、麻由香ちゃん。」
「そうそう、今度反抗したら、俺たちですっぽんぽんにしてやろうぜ。」
「脱がすだけですまなかったらごめんね、麻由香ちゃん(笑)」

 「ご、ごめんなさい、わ、分かりました!」
 周囲を取り囲んだ男子達がじわりと輪を縮めると、麻由香は危機を感じて叫んだ。20人以上の男子達によってたかって裸にされ、そして・・・
 「は、陽菜ちゃんの命令には絶対に逆らいませんっ・・・い、言いますから、近づかないでっ」

 そして、肌のほとんどが露出狂した半裸の身体に、前後左右を取り囲む男子高校生の熱い視線を感じながら、麻由香は命令された言葉を口にした。
「度々の失敗、本当に申し訳ございません。麻由香、お詫びにここで全て脱いで、お詫びをさせていただきます・・・」
おーっと、男子達が歓声をあげた。そして目の前には、田之倉のカメラがある。
「ただし、手で大事なところを隠すのはお、お許し、ください。」
そう言うと、麻由香は極小ビキニに覆われた胸と股間を両腕で庇った。
「・・・そ、それでは、陽菜ちゃん、美加ちゃん、お願いします・・・」

 そしてついに、新体操の模範演技という名目のお嬢様女子高生強制ストリップショーは、一つの佳境を迎えようとしていた。
 半径2メートルの円を描くように大勢の男子に囲まれ、自ら全裸になることを宣言させられた麻由香は、覚悟を決めたように目をつぶっていた。

 「先輩、表情が硬いですよ。みんなに楽しんでもらうためには、もっとにっこりしなくちゃ。」
麻由香の内心の葛藤に全く無頓着に美加が言った。
「それじゃあ、麻由香先輩のブラ、外しまーす!」
美加はそう言うと、ビキニのトップの背中の蝶結びをつまんて引っ張った。そして、上側の紐を掴み、一気にブラを取り去った。

 「・・・あぁっ!」
大勢の男子に囲まれながらビキニのブラを取られ、ついにボトム一枚となった麻由香は、思わず悲鳴を上げた。

 しかし、恥らう余裕も与えず、今度は陽菜がボトムの腰紐の蝶結びを引っ張った。
「はい、本条麻由香先輩のお尻、完全公開!」
そう言って、やはり一気にビキニを取り去った。

 ついに、新体操界注目の美少女高校生は、男子高校生達に至近距離で囲まれながら、一紙まとわぬ姿を披露することになった。
(・・・う、うう・・・こ、こんなの・・・)
麻由香にできることは、両腕で必死に乳房と秘部を覆うことだけだった。しかし、丸出しの尻だけはどうすることもできず、後ろの男子達の視線に晒されるに任せるしかなかった。

 「麻由香ちゃーん、真っ白ぷりぷりのお尻、最高だよ。高校生にしてはちょっと大きかてエロ過ぎだけど。」
いつの間にか後ろに回った田之倉がレンズを向けながら言うと、周囲の男子がつられてわらった。
「それじゃあ、こっちに視線くれるかな。麻由香ちゃん、お尻をこっちに向けたまま、顔だけこっちに向けて! あ、ついでにお尻をフリフリしながらさ。」

 「た、田之倉くん、い、いい加減にっ・・・」
麻由香がそう言いかけた時、陽菜の声が被さった。
「はい、先輩、田之倉さんの指示にも絶対服従ですよ?。これは私の命令ですからね。」


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