part 5
第7ゲームが始まった。今度は佳子のサービスゲームだ。しかし、菜穂子はまだ左腕を胸から離せなかった。
菜穂子が身も世もない羞恥に恥じらう姿を横目に見た真理がまたからかう。
「先輩、お願いしますよ〜。あたし、ゲーム落としてみんなの前で脱ぐなんて絶対いやですからね。」
「そうですよ〜。先輩のせいで負けたら真理ちゃんがかわいそう。しっかり構えて下さいよぉ。それに、ちゃんと気合い入れて走ってボール拾ってくださーい。」
今度は加奈子だ。他の1年女子たちも夢見心地だ。憧れだった先輩が、サークル全員の前で胸を公開するように後輩から促されているのだ。かわいそうだけど、もっともっと恥ずかしい思いをする姿を見てみたい・・・
後輩からのプレッシャーにこれ以上逆らうことはできず、菜穂子はいやいやながらも左腕を胸から離して構えに入った。
男子が生唾を飲み込む。
ついに菜穂子の胸が開陳された。大きすぎず、白くて形のよい乳房の上に可愛らしいピンクの乳首が乗っている。あまりの恥ずかしさに菜穂子は意識が遠くなりそうだった。
「菜穂子ちゃんの乳首、ピンクでかわい〜っ!」
「柔らかそうじゃん、揉ませてよ〜」
「俺はパイずりがいいっ」
男子はみんな大喜びだ。菜穂子のこんな格好が見られるなら何万出しても惜しくは無いと思っていたのだから当然だ。彼らの視線は一瞬も無駄にすることなく、菜穂子の乳房やスコート、太ももに注がれている。
そんな男子の様子を横目に見て、加奈子達女子は複雑な心境になっていた。菜穂子を羞恥のどん底に突き落とすことには成功したが、その姿があまりにも色っぽく魅惑的であり、男子の心を一層掴んでるからだ。
(こうなったら容赦はしないわ。ちょっとかわいそうだけど、徹底的に恥をかいてもらって、サークルのペット、いや奴隷にしてあげるわ・・・)加奈子達は決意を固めていた。
菜穂子は露出した胸も、短めのスコートがまくれる度に見える尻もかばうことができずに走り回った。しかし、実質的に1人対3人でやっているゲームでは、いかに菜穂子でも勝つことは無理だ。結局このゲームも佳子達が取り、試合は6−1で佳子達の勝利という結果になった。
菜穂子の全裸公開が実質的に決定した瞬間、コートは静まり返った。
「ゲームセット。さて、最後のゲームの責任だが・・・」
俊之が周囲を見回す。
「菜穂子・・・よね。」
引導を渡したのはなんと、実樹であった。
表面上は仲良し3人組であったが、実樹は直人に惚れていた。その直人に半年も煮え切らない態度を取り続けていた菜穂子を、心の底では恨んでいたのだ。
「ちょうど最後の1枚だ。脱ぐものがなくならなくて良かったな、菜穂子。」
俊之があくまでクールに宣告した。
「お願い、これ以上恥ずかしい思いをさせないで・・・」
菜穂子がみんなに懇願する。 しかし、皆興味津々といった表情で菜穂子を見返すだけだ。
「ねえ、美奈子、何とか言ってよ、お願い。」
実樹に裏切られた今となっては、最後に頼る相手となった美奈子にすがるしかなかった。が、美奈子はうつむくばかりだ。菜穂子を恨む理由は無いが、周囲の雰囲気に飲まれ、菜穂子の恥じらう姿をもっと見てみたいという嗜虐心が美奈子にも芽生えていた。
「もう2分だぞ。あと3枚分はどうしてもらおうかな〜?」
直人がストップウオッチを見ながらつぶやく。菜穂子にはよく分からないが、うんと卑猥なことをさせろ、というヤジが男子たちのあちこちから聞こえてくる。
その時、後ろから伸びた手がいきなり菜穂子のスコートのホックを外し、一気に引き下ろした。加奈子だ。
「はい、右足あげて・・・はい、今度は左足あげて。」
有無を言わせず足首から取り去り、菜穂子はサークル全員が見守る中、しかもテニスコート上で、全裸にさせられてしまった。
一瞬遅れて、菜穂子は右手で秘部を、左腕で胸を慌てて隠した。しかし、菜穂子のオールヌードは全員の目に強烈に焼き付いていた。それに、背後は何も隠せないので、お尻は丸出しのままだ。体中を真っ赤にして恥辱に喘ぐ菜穂子を全員が注視していた。
(こんなことあるわけないわ。夢よ、夢に違いないわ。)菜穂子は眼をつぶって必死に自分に言い聞かせた。しかし、全身に感じる陽光の暖かさ、肌をなでる風の感触は、どう考えても現実そのものだった。しかも、サークルのみんなが自分のどこを見ているか、眼をつぶっていても痛いほど感じる。
(こんなことって・・・私、もう終わりだわ)菜穂子は絶望感にとらわれる。
「こ、これで終わりでしょ。は、早く服を返して。」
菜穂子はうめくように俊之に言った。
「そうだな、じゃあ、そろそろ罰ゲームに入るとするか。」
思いがけない俊之の言葉に、菜穂子が驚く。
「そういえば、去年の模範試合では負けた貴子がコートの周りをうさぎ跳びしたっけ。あれも太ももとアンスコ見えまくりで良かったなー。今年もやるのか? 菜穂子がヌードでうさぎ跳びか、いいねぇ。」
浩一がにやにやしながら言う。菜穂子も昨年スケベ心丸出しの罰ゲームに不快な思いを抱いたことを思い出した。
しかし、俊之は首を振って言った。
「いや、今回はペアだから、罰を受ける一人をもう1ゲームやって決めよう。罰はついでだからもう1枚脱いでもらうことにしよう。勝った方には服を全部返す。」
またもやギャラリーは拍手喝采だ。菜穂子が勝つのは明白なので、服を全部着てしまうのは残念だが、そのために菜穂子は、全裸で1ゲームを戦わなければならない。今は体を隠している両腕を外し、全裸でテニスをする菜穂子の姿を堪能できるのだ。
菜穂子は羞恥がさらに続くことを知ってがっくりしたが、抵抗する事はできなかった。抵抗しても誰も味方をしてはくれず、それならその格好で帰れ、と言われるのは明らかだ。 もうみんなに見られてしまったんだし、真理ちゃん相手ならすぐにゲームを取って服を着られるわ・・・菜穂子は自分を慰めた。
罰ゲームが始まった。実力差を考慮して、真理がサービスをすることになった。菜穂子は観念して、全裸を隠さずラケットを構えているが、かすかにその体が震えている。
それはあまりにも異様な光景だった。青空の下のテニスコート。周囲の者は全員が普通のテニスウェア姿で、一見ごくありきたりな大学のテニスサークルの練習風景に見える。しかし、一人だけ、しかもとびきり可愛い女子大生が、テニスシューズと靴下以外は何も身に付けずにコートに立ち、ラケットを構えているのだ。きれいな乳房も秘部も尻も丸出しで、視姦されるに任せている。男子のみならず、女子も淫猥な感情が沸き上がるのを抑えることができなかった。
真理は、いやというほど菜穂子をじらし、たっぷり周囲の目を堪能させてからファーストサーブを放った。
そのサーブは見違えるように速かった。恥ずかしさで動きの固い菜穂子は一歩も動けず、いきなりサービスエースとなった。
(どうして真理ちゃんがこんなサーブを? ただのまぐれでよね?)
菜穂子は動転した。しかし、今の真理は自信たっぷりの様子であり、まぐれのようには見えない。
(まさか、真理ちゃん・・今までわざと失敗して私を裸に? でもそれならどうして自分は脱がされないと確信を持っていたの? まさか・・・みんなで?)
菜穂子は罠にはめられたことにようやく気付きかけていた。
しかし、真理がわざと失敗していたことに気づいたからといって、全裸にされてしまった今となっては、どうすることもできない。もし菜穂子の推測が当たっている場合、佳子や恭子もグルに違いないし、ひょっとしたら、俊之や直人、浩一、そして加奈子も・・・菜穂子はそう思って暗澹とした。まさか、みんなで私を辱めるつもりなの・・・どうして?
考えている間に次のサーブが来ていた。あわててボールを返すが、力がこもらず、あっさりボレーを決められてしまう。
「せんぱあい、ひょっとしてわざと負けてくれるんですかあ? 私はうれしいけど、あと一枚は何を脱ぐのかなぁ?」
真理はすっかり勝ち誇って嫌みを言う。
「気合い入れてゲーム取らねえと、どうなっても知らねーぞ。あと一枚分はその場で大股開きの御開帳をしてもらうからな」
浩二はすっかりご機嫌だ。
3ポイント目以降、菜穂子は気を取り直して応戦した。しかし、実力はむしろ真理の方が上だった。真理は、さっきとは打って変わって余裕の表情を浮かべ、その気になればいつでもポイントを取れるのに、わざとストローク戦にして菜穂子を前後左右に走らせた。ゲームは表面的にはデュースを繰り返す接戦となった。
おかげでK大きっての美人女子大生は、素っ裸でテニスをする痴態をギャラリーの前でたっぷり晒さなければならなくなった。その上、最後のポイントでは、ネットにつめたところをロブで越され、あわててバックした菜穂子は足を滑らせ、後方にいたギャラリーの眼の前で再度転倒してしまった。真理のボールは菜穂子をあざ笑うかのようにベースライン際に落ち、高く跳ねていった。
「ゲーム。しかし、菜穂子が負けるとはな。あと1枚分はどうしようか?」
俊之は結果を知っていたくせに、意外そうな口振りで、ギャラリーに尋ねる。再び、オナニーさせろ、縛り上げろ、フェラして、などと耳を塞ぎたくなるような要求の大合唱が沸き上がる。さっきまでは半分冗談だったが、今回は実現しそうなので、男子達は必死である。菜穂子は体を隠したまま青ざめて立ちすくんでいる。
その時、 一人の女子の声が響いた。
「みんな、もうやめなよ。先輩が可哀想だよ。」
それは加奈子の声だった。さっきまで菜穂子を辱めるのを一番喜んでいたはずの加奈子の言葉に、ギャラリーはみな、意外な顔をした。
さらに、加奈子の目配せを受けた真理が言った。
「今回は真理の貸しってことにしてもいいよ。その代わり、菜穂子先輩、後で先輩みたいに男子の心をつかむ方法を教えて下さいね。」
ちゃめっけのある真理の言葉に、菜穂子は戸惑いながらも感謝した。(ありがとう、加奈子ちゃん、真理ちゃん。これでやっと許してもらえるのね。本当に恥ずかしかったわ・・・)
俊之は不満げに何か言いかけたが、加奈子がウインクを送って来たため、その意図を理解したように小さくうなずいた。
「じゃあ、服を全部返してやれ。その代わり、菜穂子、貸しはちゃんと返せよ。」
ギャラリーからブーイングが起きたが、俊之はあっさり無視した。
菜穂子は急いで服を着るのに精一杯で、その言葉の意味を深く考えることは余裕はなかった。そして、彼らがまだまだ許す気はないことを知る由もなかった・・・