PART 16

 「お、おはようございます。昨晩は私の我が儘で勝手に罰ゲームを放棄してしまい、サークルのみなさまには大変失礼いたしました。罰ゲームの続きをしっかりことで、精一杯みなさまに尽くさせて頂きますので、どうぞお許し下さい。ただ、口でのご奉仕は同時に3人まででお願いいたします。また、貞操だけは、どうかご容赦願います。その代わり、それ以外のご命令でしたら、ど、奴隷になったつもりで何でも従うことを誓います。」

 つっかえつっかえ、何とかそれだけを言い終えると、菜穂子は顔から火の出るような羞恥を感じながらうなだれた。体の前面を覆う一枚の布以外は素っ裸の格好をサークルの皆の前に晒しながら、奴隷の誓いをしなければならない屈辱はいかばかりであっただろう。

 「補足させてもらうわね。」
と横から口を挟んだのは美奈子だ。
「菜穂子は昨日の罰ゲームの続きをさせて欲しいって言ってるわけ。あと11人分のフェラが残ってたから、貸し11ってことね。でさあ、昨日話したんだけど、それじゃあちょっと単調でつまんないから、11個の命令を聞いてもらうことにしたわけ。」

 ここまで言うと、途端に男子達からブーイングの声があがった。
「何だよ、それ。約束が違うじゃんか。」
「あれだけ期待させておいて、そりゃねーだろ。」
「同時じゃなくても、一人ずつでもいいからさ、頼むよ。」
「じゃあ、その命令って、誰がするんだよ? 当然俺達11人だよな。」
「なら、俺の命令は、今すぐフェラ!」
「3人ずつなら4回で終わるよな。」
せっかちな要求に周囲から爆笑が起こった。しかし、昨日の夜に一度はあきらめかけたフェラが実現するかもしれない、という期待に11人の男子達は必死だった。

 「だけどさ、菜穂子を説得したのは私達よ。いやなら今後一切協力しないけど、いい?」
美奈子の後ろにいた加奈子が反論した。好奇心旺盛な加奈子としては、まだまだ色々な方法で菜穂子を辱めたいと思っているのだ。と同時に、指でOKサインを作りながら男子達にウインクすることも忘れなかった。もちろん、フェラもさせてあげるわよ、という意味であることは明白だった。菜穂子は男子達の目の前で向かい合わせなので、加奈子のウインクを知る由もない。

 「・・・分かったよ。だけど、その11個の命令ってのは誰に決定権があるんだよ? 全部女子か?」
ウインクの意味を理解した男子の一人はトーンダウンしながら質問した。あこがれの菜穂子を好きなようにできる権利、というのもなかなか魅力的だ。

 「そうねー。じゃあ、男子には3つあげるわ。あとは1年女子と2年女子で4つずつ。いいでしょ? もちろん、基本的にはみんながいるときに共同で使いましょ。」
加奈子が笑顔を振りまきながらそう言うと、男子達の反論も止んだ。わずか三日で、4年生の男子すら反抗できないほどの実績を作った加奈子は、ある意味でサークル一の権力者になっていた。
「じゃ、あとは今後のお楽しみということで、朝食を頂きましょ。」

 菜穂子は朝食の間中、全裸にエプロン一枚という、一週間前なら想像しただけで卒倒しそうな恥ずかしい姿のまま、皆の給仕をしなければならなかった。男子も女子も、おかわりをすべて菜穂子に言いつけるのだ。しかも給仕は皆の後ろからではなく、必ずテーブルの前から行うことを要求した。そうすると、コの字型に並んだテーブルの反対側の連中に、裸の尻をさらけ出すことになる。後ろで可愛くリボン結びにした紐がわずかにかかった裸の尻が眼の前に突き出されて揺れる様に、男子達は再び前を固くしているのだった。

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 帰りの車割は俊之達によって決められ、菜穂子は8人乗りのボックスカーに乗ることになった。車は義雄が父から借用してきたものだ。席順は、助手席に実樹、後部座席の運転手側に、浩一、俊之、直人、向かい合う後ろ側に加奈子、菜穂子、真理となった。露骨な意図が感じられるその車割に不満を持つ男子は多かったが、表立って文句を言う者はいなかった。

 東京へ向けてのドライブが始まった。昨晩を思い出して、菜穂子は気まずい思いだったが、残りの7人は気にする様子も無く、他愛もない話をしている。

 そして、車が高速に乗った時、浩一が言った。
「しっかし、菜穂子ちゃん、その白いワンピース、すっごく可愛いねぇ。合宿来るときも思ってたけど、いかにも清純って感じで、ほんとによく似合ってるじゃん。」
確かに、普通の大学2年生が来たらぶりっこと言われるに違いない格好だが、上品さがにじみ出ている菜穂子にはふさわしいものだった。

 「う、うん。ありがと。」
目の前に座る男3人の視線を一斉に浴び、菜穂子は思わず俯きながら答えた。そもそも、さっきから、菜穂子は一度も前の3人と目が合わせられないでいた。何しろ、つい数時間前にフェラチオをさせられた3人なのだ。至近距離にいるだけでもいたたまれない気分なのに、注視を受けて平然としていることなどとてもできない。

 「ほーんと、だけど、可愛いカッコに似合わず、結構好きなのよねぇ、これが。」
実樹が大げさに溜め息をつきながら言った。
「今まで、みんな、まんまと騙されてたと思わない?」
菜穂子は、親友のあからさまな嫌みに一層頬を染めた。

 「よし、じゃあ、これからぶりっこの菜穂子先輩に罰ゲームその1、しましょうか?」
加奈子が眼を煌めかせた。
「ねえ、義雄先輩、携帯で電話会議、しましょうよ。」
菜穂子は、加奈子の眼の光に、不安が急激に大きくなるのを感じていた。

 「よし、任せとけって。」
義雄はハンズフリーとして接続されている携帯を操って、すかさずサークル一行の7台と連絡を取った。
「・・・もしもーし、隆、聞こえる〜?」
「オッケイ、バッチリだよ〜ん」
7回同じことを繰り返した後、義雄は言った。
「よし、これで、7台全部とつながってるぞ。全部、ハンズフリーだ。」

 「はい、こちら義雄号の加奈子で〜す。それじゃ、お待ちかねの罰ゲームを始めまぁす! 第1弾は、フェラで持ち主当てクイズぅ〜。菜穂子先輩にバンダナで目隠ししてフェラしてもらって、昨日の3人のうち誰か、当ててもらいます。見事正解の場合は、罰をもう一つ減らしてあげますから、頑張って下さいね、先輩! それから・・・」

 「い、いやあ、お願い、もうひどいことは許して!」
話が終わるまで我慢できず、菜穂子が叫んだ。車の中では誰に見られるかも分からない。それに、恥ずかしい思いをするだけじゃなくて、みんなの暇つぶしみたいにされるなんて、あまりにも屈辱的だった。

 「ちょっとお、菜穂子、今、何て言ったぁ」
途端に電話の声が社内に響いた。隆の車に乗っている美奈子の声だ。
「奴隷のくせに約束の罰ゲームを拒否できる身分だと思ってるのぉ? 今度から、『いや』って言う度に罰ゲームを一つ増やすことにしましょうよ。」
即座に賛同の声が響き、あっと言う間に新ルールが一つ決まってしまった。

 「それで、菜穂子が持ち主を外した場合のペナルティはどうすんだよ。」
面白い余興が眼前で見れることになった浩一が加奈子に言った。

 「はいはい、話は最後まで聞いて下さいね。それから、外した場合のペナルティですが、その時はみんなにも見えるように、恥ずかしいショーをしてもらいます。ショーの内容は、お楽しみ。」
唇の端にまたも悪戯っぽい笑みを浮かべて、加奈子は続けた。
「それから、各車に一票ずつ、投票権を差し上げますので、菜穂子先輩が、誰のモノを誰のと間違うか、賭けて下さい。当たった車には、次の罰ゲームの権利を差し上げま〜す。思いのままに、菜穂子先輩を可愛いがれるんですよ。」

 3分後、菜穂子は青白赤のストライプのバンダナで眼隠しをされていた。目隠しを外さないため、と称して両手は後ろ手に縛られている。美しい眼が見えないのは寂しいが、真っ白なワンピースをまとった美女が、後ろ手縛りで目隠しをされている被虐図は、それにも増して魅力的だ。
 また、目隠しをしてから前方の3人は席替えをしたため、菜穂子には位置関係が分からなくなっていた。

 「さあ、菜穂子先輩、まず、フェラする相手を選んで下さい。」
加奈子の言葉に、菜穂子は身体を固くした。しかし、拒否したら罰ゲームを増やされるだけだ。(仕方無いのね・・・)悲しい覚悟を決めた菜穂子は、左前方の相手に頭を下げた。真理に囁かれたままに、死んだ気持ちで口上を述べる。
「よ、よろしくお願いします。フェ、フェラチオが大好きな菜穂子に、あ、あなたのお、おちん○んをくわえさせて下さい。」
途端に携帯電話から笑い声の合唱が響いた。

 指名された男が、黙ってズボンとパンツを下ろす音がする。そして、菜穂子の後頭部を掴んで、その部分へ導いていった。菜穂子が鼻先に異臭を感じたところで、その手は離れた。

 「はい、では始めまーっす。とーぜんですが、制限時間は3分です。簡単ですよね、フェラ大好きの菜穂子先輩なら?」
いきなりの追加ルールを告げたのは真理だった。(本当に良くやるわよねぇ、せんぱい。ま、せいぜい頑張ってね。まだまだいろいろやってもらわなきゃいけないんだから。)

 (え、3分!? そ、そんなのひどいわ、手も縛られてるのに)そう思ったが、菜穂子にはいかなる抵抗も許されていない。(と、とにかく、頑張って出してもらって、誰か当てなくちゃ)菜穂子は精神的にも確実に奴隷調教が進んでしまっていた。

 屈辱の車内フェラチオゲームが始まった。白いワンピース姿の菜穂子は、しなやかな身体を曲げて、必死に男の下半身にその美貌を埋めている。唇をすぼめたり、先端をちろちろ嘗めたり、果ては根本の袋までを一心不乱に嘗め、フェラチオに耽る菜穂子−奉仕されている本人だけでなく、隣の2人までが暴発しそうになるほど淫靡な光景だった。

 菜穂子は、合宿の初日もこの車に乗っていた。その時は、周囲に座れた幸運な男達によって、やれお菓子だ、やれジュースだ、暑くない? 窮屈じゃない?とお姫様のような扱いだった。それが今は、目隠しして、誰のモノか分からない肉棒に必死に唇で奉仕をしている・・・あまりに劇的な運命の暗転に、菜穂子は再び現実感が遠のいていくのを感じていた。(だけど、これは誰のなのかしら? 浩一君? 直人君? それとも、俊之君の・・・?)

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