PART 81(bbbbx)

『大石すず、露出調教倶楽部 vol.1』のシーンは大きく全部で5つだった。

 最初のシーンは、図書館だった。
 図書館という点では、前作の露出調教スペシャル2と同じだったが、今回は内容が強化されていた。K附そっくりの制服を身に付けたすずは、男子高校生と一緒に図書館に勉強に来ている設定だった。男子に誘われたすずは、図書館の誰も来ないだろう奥の本棚に行き、抱きついてキス・・・男子の手が動き、スカートを落とし、パンティを下ろす・・・そこに、たまたま数人組が本を探しに訪れ、咄嗟のことに慌てたすずが、下半身裸のままで、本棚の間から間へ走り、ある時は隣の列の人に見られないよう、四つん這いで逃げる姿を真後ろから映されたりしていた。最後は図書館員に見つかり、大勢の一般客が見守る中、ロビーを全裸で駆け抜けて図書館から脱出。

 2番目のシーン。
 場所は学校の体育館。バスケ部の女子エースという設定のすずは、男子部員とフリースローで勝負をすることになり、脱衣を賭けることになる。しかし、すずは実は別の男に脅迫され、秘裂とアナルにリモコンローターを挿入されていた。ぎりぎりのところでローターを振動され、ことごとくフリースローに失敗。負けるごとに、下着姿、パンティ一枚になり、最後には全裸でローターに悶え、太股を濡らしながらフリースローする姿をバスケ部員と見物に来た大勢の生徒達の前で晒す。そのフリースローも失敗し、すずは頭の上にバスケットボールを両手で抱え、太股の間にもう一つのボールを挟み、全裸がに股で歩く姿を大勢の生徒達の前で披露。さらに2穴に挿入されているローターを振動され、愛液を垂れ流しながら絶頂に達してしまう。

 3番目のシーン。
 AV会社の中で全裸勤務をさせられるすず。製品開発のためと称して、社員達が通常の業務をしている中で、オナニーをさせられ、さらに電マやローター、バイブ、ディルドまで使わされ、それぞれで絶頂に達するように強要され、さらに感想を述べさせられる。

 4番目のシーン。
 プールに彼氏と来ているすず。彼氏とはぐれた隙に集団痴漢に囲まれて、乳房と尻を揉まれてしまう。必死に逃げ出し、プールの外に脱出するすず。すると「大石すずがAV撮影しています、一般人も参加歓迎します」とスピーカーからアナウンスが流れ、その場の全員に追われるすず。必死に逃げるが、ところどころで捕まり、ビキニのトップを取られ、ついにはボトムも下ろされて全裸に。何とか全裸のままで園外に脱出。いつの間にか学生服を着ている彼氏がバイクを用意していて、すずは全裸のままでバイクの後ろに乗って逃げることになる。全裸で尻を突き出した女を乗せたバイクは当然周囲の注目を集めるが、痴漢が車で追ってくるため止めることができない。バイクはそのまま、渋谷のスクランブル交差点を通過し、すずは何百人もの群衆に全裸の尻を晒す。

 5番目のシーン。
 マジックミラーカーの中でストリップとオナニーの撮影をしているAV女優すず。しかし、その日はなぜか気が乗らず、演技に身が入らない。見かねたプロデューサーが、車で渋谷に向かうように指示。トイレに行きたいと言ったすずに対し、プロデューサーは、ここですればいいと言って、マジックミラーのサイドドアをいきなり全開にする。すずは悲鳴をあげるが、いつの間にか後ろに男がいて、全裸M字開脚姿を車の外に向けて見せつける格好で固定される。いきなり扉が開いて中にM字開脚の女性がいるのを見て、悲鳴を上げる女性達と、歓喜の声をあげて車を追いかけ始める男子高校生達・・・。大勢の通行人に乳房も剥き出しの股間も見せつけながら、マジックミラーカーは信号が変わりかけの交差点に強引に進入。スクランブル交差点の真ん中で立ち往生した車の中から、突然水流が高く飛び出し、悲鳴をあげる群衆。そのまま車は一回転し、車の中から高々と放尿を続ける少女の姿があちこちのアングルから映され続ける・・・放尿シーンは別のアングルからもう一度、さらに、スローモーションでもう2回、映し出された。いやあっという悲鳴、いやいやをするように激しく振られる顔、ふるえる乳房、開き切った太股、ぱっくり開いた秘裂、尿の出口・・・その全てが、執拗に何度も映し出された。薄いモザイクがぎりぎりその秘裂を覆っていた。


 ・・・最初のうちは、やだあ、何これ、などと照れ隠しにはしゃいでいた4人の女子だったが、シーンが進むうちに口を閉ざし、じっくりと見るようになってしまった。

 梨沙以外の3人にとって、1、2、4番目のシーンが、梨沙が実際に体験した出来事を基に作っていることは明白だった。もちろん完全にそのままではなく、またAV向けの過激な味付けはされているが、図書館も、体育館の脱衣バスケも、渋谷の全裸バイクも、偶然で被ることなど考えられなかった。
 と、いうことは、残りのシーンもそうなのか・・・透ける水着を騙して着せられて晒し者にされたり・・・渋谷での放尿ショー事件はやはり梨沙だったのか・・・3人とも、さすがに気の毒で梨沙に聞くことはできなかった。

 一方、梨沙にとってそのビデオは、全てが自分にとって思い当たるシーンをアレンジしたものだった。

 特にその中の一つは、極めて重大な事態だった。最後の、渋谷での放尿シーンは、どう見ても、自分のものだった。あの後事務所での会話を聞いて分かったが、さすがにあんなに大胆な露出シーンは、警察の手前、2度もできるものではないに違いなかった。でも、なんとか販売できないか、という桂木の言葉、まあ、考えてみる、という木島の言葉が頭に蘇り、一つの推測が浮かんでしまった。つまり、私がしたことを、すずさんがしたことにすれば、2度撮影する必要は無いし、18歳以上ということにできる・・・もう一度、じっくりと見返したかったが、3人がいる前ではできなかった。3人とも、梨沙が同じ目に遭ったのではないかと、口には出さないけど思っていることは梨沙も察していた。

 また、梨沙には3人に言えないことがもう一つあった。明らかに自分を意識した露出シーンを見せられ続け、梨沙は感じてしまっていた。頬がかあっと熱くなり、全身が火照り、秘奥がじんと痺れ、じゅわっと愛液が湧き出したような気がした。特に最後の露出放尿シーンは、自分の姿そのものだったので、愛液がどんどん溢れてしまった。あ、だめ、みんなに分かっちゃう・・・梨沙は慌ててトイレを借りることにした。

 ・・・全てを見終わった後、4人の女子高生は、微妙にぎこちない空気になったのを感じながら、なんとかさりげない会話をしばらく続けたあと、解散することになった。

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 自宅に帰った梨沙は、しばらく悩んだ後、思い切ってすずに連絡することにした。アイリスの事務所で会ったとき、別れ際に電話番号とメールアドレスの交換をしていたのだ。

『梨沙ちゃん? こんばんは!』
すずはワンコールですぐに電話に出た。
『久しぶりね、元気?』

「は、はい、元気です・・・」
梨沙はすずのあっけらかんとした声に若干戸惑った。
「あの、すみません。夜に電話なんかしてしまいまして。」

『やだ、遠慮してるの、梨沙ちゃん? 梨沙ちゃんからの電話ならいつでも歓迎よ。』
すずは優しく言った。
『あ、メール見てくれたのかな? 見てくれたの、発売前の次回作?』

「え、メールって・・・あの、柏原くんに送ってくれたメールで知ったんですけど・・・あ・・・」
梨沙ははっとしてPCを確認した。
「・・・すみません、私にも来ていました。セキュリティを強化していて、迷惑メール扱いになっていました。すみません。」

『そんなことで謝らなくていいのよ・・・で、恥ずかしいけど、中は見てくれたの?』

「・・・はい・・・」

『びっくりしたでしょ?』

「はい、少し・・・」

『そうよねえ・・・ごめんね、あなたそっくりの格好でいろんなことしちゃって。・・・でも、アイリスの中では大好評なのよ。社長も、これなら移籍前のよりずっと売れるって。』

「あの・・・ちょっと、お伺いしたいんですけど・・・」

『やだなあ、そんなにかしこまらないでよ。何でも聞いていいわよ。』

「はい・・・あの中の、オートバイに乗っているシーンなんですけど・・・あれは、私のため、なんですよね?」

『え、どういうこと?』

「・・・私が以前、アイリス映像のイベントから逃げるために、柏原くんのバイクに・・・裸で乗って逃げたから、その時の写真や動画がネットに出回ってしまっていて・・・今回の作品を出すことによって、それはすずさんがしたことにしてくれたんですよね?・・・ありがとうございます。」

『うん、いいのよ、そんなこと。それに、すっごくおもしろいネタだったし、私もやってみたけど、すっごいドキドキして、楽しかったわ!』
すずは小さく笑った。
『でもあの時、梨沙ちゃんはローターも入れられてたんでしょ? みんなに見られてる気持ち良さと、ローターの刺激で、ぐしょ濡れにして感じてたんでしょ?』

「いえっ! そんなこと、ありません!」

『あら、私を相手にそんな嘘が通用すると思うの?・・・見たよ、あなたがアイリスの社員全員の前で露出オナニー調教されてるところ、全部! あなた、恥ずかしい格好を人に見られると、それだけでアソコが濡れちゃうのね(笑)』

「そ、そんなこと・・・言わないで、ください・・・」

『あー、今も思い出して、少し感じちゃったでしょ!』
すずは意地悪くからかって、くすりと笑った。
『大丈夫よ、誰にも言わないから。・・・でもそういうとこ、私と似てるわね(笑)』

「え、そうなんですか?」

『うん。だからね、正直、露出シーンの時は、特に意識しなくっても、いい演技ができちゃうみたいなの。・・・話は戻るけどね、あのバイクのシーンを入れようと言ったのは、黒川さんなのよ。』

「え、黒川さん・・・?」

『そう、黒川さん。あなたにとっては憎たらしい敵だったと思うけど、今はね、黒川さん、あなたにとっても感謝してるみたい。だから、梨沙ちゃんのしたことは、絶対に表に出さないように考えていたみたいよ。・・・それで、あなたに似ている私をアイリスに移籍させて、あなたそっくりの格好にして、バイクのシーンを撮らせたみたい。』

「・・・そう、なんですか・・・」
梨沙はあまりに意外な話に困惑していた。どうして黒川さんがそこまでしてくれるのか・・・
「あの・・・それじゃあ、あの、最後の、その・・・」

『ああ、スクランブル交差点のど真ん中での素っ裸アソコ丸出しで放尿一回転ショーのこと?』
すずはわざといやらしい言い方をして、梨沙をからかった。
『・・・ごめんね。あれはちょっと、警察の手前もあって、私がもう一度することができなかったの。だからね、悪いんだけど、あなたの映像をそのまま使わせてもらったわ。ま、少しぼやけてるから、私じゃないと分かる人はいないだろうって・・・試しにアイリスの社員達に見せたけど、誰も気づかなかったわ。』

「・・・それも、すずさんがしたことにしてくれるんですか?・・・大丈夫ですか?」

『もちろんよ。だって私、露出が得意なAV女優だから。でも、自分でやってみたかったかな。』
すずはそう言うと、クスッと笑った。
『ねえ、梨沙ちゃん、どんな気持ちだった? 数百人の人の前で、すっぽんぽんで、おしっこするのって、気持ち良かった?』



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