PART 90

 その後の展開は有希にとって悪夢そのものだった。
 ミニスカートでジャンプを強要され、何度かはスカートの捲れを手で押さえたが、ついに裸で縄が縦一本だけの下半身が露わになり、さらに秘部が無毛であることまでが分かると、ギャラリーは一気に意地悪になった。
 そして、担当者がY学生服AV用のセーラー服を持ち出してきて、有希はそれを着用することを荻野に強要された。透け透けのセーラー服を着せられ、亀甲縛りだけの全裸を透けさせた有希は、その格好で自己紹介をさせられたのだった。
 また、その頃になると、今度は縄に染み込まされていた催淫剤が染み出し、有希の性感を一気に高めてしまった。ポーズをとりながら悶え始めた有希の姿にギャラリーは失笑した。

 「もう、見てられないな、有希ちゃん。そんなに気持ちいいんなら、ここで一回イっちゃえよ。」
荻野がぞんざいな口調で言うと、ギャラリーは驚いて有希の顔を見つめた。

 結局、有希は透明なセーラー服姿でさらに縄を掛けられ、M字開脚姿に拘束された。そしてピンクローターや電動マッサージ器を乳首とクリトリス、秘裂に当てられて面白いようによがり悶え、ついには絶頂に達してしまったのだった。

 うっとりとした表情で失神している間に、有希は亀甲縛りの縄を全て解かれて全裸にされ、その上にF学園のセーラー服を着せられた。そして意識を取り戻した有希は、目の前の大きな鏡に映った等身大の姿を見て悲鳴をあげた。
 そこには、母校のF学園の制服を着て、双乳の部分と下半身の前後を丸くくり抜かれ、乳房と秘部を露出させている自分の姿が映っていた。濃紺のセーラー服と真っ白な乳房のコントラスト、淡いピンクの可愛い乳首、無毛の秘部の中心の縦の溝とその間だからチラチラ見えるピンクの筋・・・有希は大勢のギャラリーの前でその格好を晒したまま、カメラに写真を撮影され、さらにはビデオカメラに向かい、自己紹介までさせられたのだった。元F学園、とまで言わされ、スカートをくり抜かれて露出した有希の股間からは、きらきら光る液体が溢れ出していた。

 「全く、本当にいやらしいんだね、君は。高校時代の制服でこんな破廉恥な格好をして、どうして感じちゃうの?」
荻野が呆れたように言うと、有希の顔がかあっと真っ赤になった。
「それじゃあ、懐かしの制服で、イっちゃってみる、有希ちゃん? あ、皆さんもよろしければどうぞ。」
荻野はそう言うと、電動マッサージ器やローターを、近くのY学生服の社員達に手渡した。

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 その週のSupershotはまた、最高売り上げ記録をあっさりと更新した。セーラー服姿で微笑む有希の姿が表紙となっているその雑誌は、もはや書店で最も目立つ位置に置かれるようになっていた。先週、先々週と、あっという間に売り切れになってしまい、ネットにも画像が出回らなかったため、サラリーマンや学生は朝一番で我先にと買ったのだった。

 そしてその中身も好評だった。最初の方の、Y学生服の取材記事では、有希がJ学院のブレザーやF学園のセーラー服を着て様々な可愛いポーズを取らされ、恥ずかしそうに笑っている写真がちりばめられていて、袋閉じでは、アイリスでセーラー服を捲られて下着を露出し、亀甲縛りにされている写真が大きく載っているのだ。さらに、S書房オンラインでは、亀甲縛りにされるまでの動画が、有希の実況アナウンス入りで見ることができた。

 ただもちろん、AV用の透明セーラー服で亀甲縛りの姿や、F学園のセーラー服をくり抜かれて乳房も秘部も丸出しの写真は掲載されていなかった。しかし、翌日に発売された週刊Xには、有希にあこがれる「ゆり」の姿として、それらの写真がどぎつい言葉と共に掲載されてしまっていた。もちろん顔は分からないようになっていたが、有希はいたたまれない気持ちになった。あと8回も、こんなことが続くの?・・・


 担当している作家の方々が有希の立場に同情的であり、今までどおりに仕事上の付き合いをしてくれることだけが有希の唯一の救いだった。
「まあ、社会人だから、嫌な仕事もしなくちゃいけないよね。特にS書房さんは今、少し厳しい状況だからね。」
有希が一番尊敬している園城寺幹雄は、そう言いながら、とっておきの書き下ろし小説を渡してくれたのだった。
「君の頑張りにご褒美って訳じゃないけど、これをあげるよ。出版のやり方は君に任せるから。」

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 その週の金曜日。有希は営業部からの強い要請で、第2営業担当の接待に付き合わされることになった。接待の相手は、研修の時に有希が獲得した大手クライアントのG社だった。上司の森尾課長によると、G社がさらに大きな契約を検討中であり、最後の一押しとして、同社の広報部長に接待するということだった。そして、研修時代に有希が営業をした相手が、まさに上条広報部長だった。上条部長は有希を気に入っているので、接待してくれれば絶対に受注できる・・・それが、営業部からの要請の理由だった。最初は渋った有希だったが、営業部長の伊丹が自ら出向いてきて編集部長の宮本に頼み込んだと聞かされては、断ることができなかった。

 接待する店は、いわゆる料亭だった。出席者は、G社側が、広報部の上条部長、仁藤マネージャー、柳沢リーダーの3名、S書房側が、営業部の伊丹部長、守口課長、米倉係長、そして編集部の有希、の4人だった。

 「いやあ、今日はお忙しい中ご足労いただきまして、誠にありがとうございます。ぜひ、今後ともいい関係を続けさせていただきたいと思います。・・・」
伊丹が挨拶をして、個室での宴会が円滑に始まった。

 今日の有希は、ベージュのおとなしめなスーツ姿で、ストッキングは黒いものを履いていた。一部ですっかり有名人となってしまった有希は、できるだけ目立たない格好をするようにしていた。
「伊丹部長、どうぞ・・・今後とも、よろしくお願いいたします。」
有希は上品な手つきでビールを注ぎ、微笑を浮かべて挨拶した。6人の男達の視線がまとわりついてくるように感じたが、できるだけ意識しないようにしていた。大丈夫、ただの接待なんだから、2時間、我慢すれば終わるのよ・・・

 「こちらこそ、今後もよろしくね。今日は驚いたよ、まさか二階堂さんが、この場に来てくれるなんてね・・・」
22歳の可愛い女子社員にお酌をされ、伊丹は相好を崩した。
「それにしても、前よりも美人になったねえ・・・ちょっと、色っぽくなったかな?」

 「そうですねえ、研修生の時に初めて営業に来たときには、緊張してがちがちだったのに、今では少し、余裕がでてきたのかな?」
続いてお酌を受けたマネージャーの仁藤が、上半身を傾けている有希の胸元を覗き込んだ。
「おっぱいも前より大きくなったんじゃない? やっぱり、縄で縛られてくびり出されたおかげかな?(笑)」

 ちょっと仁藤さん、と咎めようとした有希の脇を、隣の守口課長がさりげなくつついた。
「まあまあ、二階堂くんは緊縛教室なんて企画もやらされてますけど、本当はウブな子なんで、お手柔らかにお願いしますよ。」
守口の巧みな口調に、あはは、そうなんだ、とG社の3人は笑い、とりあえずはいやらしいからかいが止んだ。

 宴会はそれから特に乱れることなく進み、有希は少しだけ安堵していた。ふと時計を見ると、開始から40分が経っていることが分かった。あと、一時間とちょっとね・・・

 食事も一段落し、皆が適当に酔ったところで、有希の携帯がメールの着信を告げる振動をした。宴席を抜けることもできず、一旦はその振動を無視した有希だったが、メールは1分置きに何度も着信したため、そうもいかなくなった。
「すみません、ちょっと失礼します・・・」
有希はトイレに行くふりをして、そっと個室から出た。

 (一体なんだろう、先生の呼び出しかな・・・)有希は恐る恐る携帯端末を手に取り、着信メールを表示させた。
「・・・い、いやっ・・・」
有希は悲鳴を上げ、思わずその携帯を放り出してしまった。床に落ちた携帯は、全裸片足を大きく上げる雌犬縛りに拘束され、秘部から尿を一直線に迸らせている有希の写真が画面一杯に表示したまま、磨き上げられた廊下をつーっと滑っていった。

 だめぇっと悲鳴をあげた有希が慌てて駆け寄ってその携帯を手に取ると、タイミングを計ったように電話の着信を知らせる振動が起こった。見覚えのない番号だったが、有希は通話ボタンを押すしかなかった。
「は、はい、もしもし・・・」

 「なにが、もしもし、よ! あなた、私を舐めてるの!」
電話の向こうから、いきなり女性の厳しい声が聞こえてきた。
「何度もメール送って電話しろって言ってるのに無視するなんて、大した度胸ね。さっきの写真、ネットにばらまいていいってこと?」

 「ち、違うんですっ!」
アイリス映像の社長、真樹の怒りの声を聞き、有希はすっかり酔いが醒めた。携帯を持っている手が震えていた。
「ちょうど接待の宴席の途中だったので、出られなかったんです。信じてください・・・」

「へえ、宴席ねえ・・・どこのお店なの? 接待のお相手は?・・・」
さらに、個室であること、先方が3人、こちらが4人であり、有希以外は全員男性であること、などを聞き出した真樹は、少し穏やかな口調で言った。
「ふーん、まあ、嘘じゃなさそうね。それじゃあ、これから言う方法で証明してくれるかしら? ちょっとでも遅れたりしたら、今度は容赦しないからね。」


 その1分後。有希はおずおずと個室の扉を開けた。
「すみません、失礼しました・・・」
やや強ばった表情のまま、有希は皆に向かって一礼した。(い、いやよ、そんなの・・・でも、あんな写真、絶対に人に見せられない・・・)

 それからしばらく、有希は積極的に酒を注ぎ、自らも注がれた酒をおいしそうに飲んだ。お、いけるねえ、有希ちゃん、いい飲みっぷり、と男達が喜んだ。
 10分ほど経ったところで、有希はさり気なく時計を見た。
(そろそろ約束の時間だわ・・・やらなくちゃ・・・ああ、どうしてこんな時に?)
身体の奥がじん、と熱くなり、有希は困惑した。

 一瞬目をつぶった有希は、目を開けると作り笑いを浮かべ、その場で座布団の上にすっと立ち上がった。え、と驚く6人の顔を見ながら、有希はそのまま畳の上を歩いてテーブルの反対側に行き、G社の男たちの間に座った。
「あの、よろしければ、記念に写真を撮らせていただいてもよろしいでしょうか?」
有希はそう言うと、手に持っていた携帯端末を係長の米倉に手渡した。

 G社の部長と課長の狭い隙間に座り、身体を密着させてくる有希に、2人の男は驚き、相好を崩した。

 「はい、チーズ!」
撮影役の米倉がそう言って有希のカメラのシャッターを押した。
「みなさん、もっと笑顔で。有希ちゃんもピースサインでもしたら?」

 何枚も写真を撮る中で、調子に乗って手を肩に回しても嫌がらなかったため、男たちはさらに大胆になり、片腕で有希の肩を抱いたまま、もう一方の腕でタイトスカートからこぼれている黒ストッキングの太ももをさわさわと撫で回した。むっちりと張りのある肌が指先に吸い尽く感触に、男たちは理性を忘れかけた。さらに守口は、さり気なく手先を動かして有希のタイトスカートをずり上げ、太ももの根元近くまで露わにしてしまった。すかさず上条の指が上方に動き、有希の柔らかな太ももの感触を楽しんだ。それでも有希が拒まないのを確認すると、上条はさらに手を伸ばし、有希の内腿を触り、ねっとりと揉み込んだ。

 「あっ! あの、上条さん・・・あんっ」
敏感な部分を弄られ続け、有希は顔を真っ赤にして喘ぎ声を漏らしてしまった。
「ご、ごめんなさい、そこはちょっと・・・あはぁ・・・くぅ・・・」

 「どうしたの、有希ちゃん・・・この辺が気持ちいいのかな?」
上条は有希の素直で可愛い反応に満面の笑みを浮かべた。こりゃあ、素晴らしい接待だな・・・(笑)


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