PART 92

 それからしばらく、下着姿で緊縛された美女を肴に、宴席が盛り上がった。嫌らしい視線で胸と股間を覗き込まれ、さりげなく触られても、有希は酔った振りをしながら笑顔で応対しなければならなかった。時々現れる仲居があからさまに軽侮の色を浮かべるのを見て恥辱にまみれたが、やめるわけにはいかないのだ。写真を撮られる時には、必ず笑顔を浮かべないと・・・

 ただ、有希にとってさらに辛かったのは、股間を縛るネクタイをクイックイッと引っ張られることだった。ネクタイの縄が秘裂に食い込み、二つの瘤がクリトリスと膣口を刺激する感覚に耐え切れず、有希はあんっ、と可愛い喘ぎ声を漏らしてしまうのだ。そして、有希の困惑した表情と悶え方が可愛いらしく感じた男達は、面白がって皆でネクタイを引っ張り始めたのだった。
「お、有希ちゃん、パンティが濡れてきてるぞ!」
と上条が嬉しそうにからかうと、男達がわっと沸き、さらに縄での責めが激しくなった。また、縄を秘裂と尻の溝に深く食い込ませると、パンティが引きずられ、尻肉が露わになっていくのも楽しい眺めだった。

 「あ、駄目です、そんなっ・・・」
女性としての恥ずかしい反応を指摘され、有希は思わず顔を引きつらせた。こ、このままじゃ、私・・・
「す、すみません、これ以上はちょっと・・・あ、あんっ・・・ちょっとっ・・・あはぁ・・・」

 弱々しい抵抗は却って皆の嗜虐心を煽ることになり、調子に乗った男達の責めは一層激しくなっていった。有希の両隣の男達は有希の両足を大きく開いて自分の太ももの上に乗せ、手でいやらしく揉み込んでむっちりと柔らかな感触を楽しんだ。また、有希とテーブルの向かいになっている男達は、箸を持った手を伸ばし、縄でくびり出されて突き出ている、ブラジャーに包まれた乳房の頂点を箸でつつき、さらに乳首を箸で掴もうとした。いやらしい責めから逃げようと、有希が上半身を左右に振る度に、乳房がぷるぷると震えるのが楽しい見世物になっていた。

 「あ、あんっ・・・あ、あ、駄目です、そこ・・・あ、あぅぅ・・・」
しばらくすると有希の顔にうっとりとした表情が浮かび、唇が半開きになって熱い息が絶え間なく漏れるようになっていた。酒に酔ってふわふわしている時に、大勢の男達に身体をいじられて快感の波に連続して晒される・・・初めての経験に、有希の官能はどんどんとろけてしまっていた。

 しばらく悶え続けた後、ふと、胸を縛る力が減ったような気がして、有希は下を見た。
「え?・・・あ、い、いや、いやです・・・」
いつの間にかブラジャーの背中のホックが外れ、乳房を覆うカップが浮き上がっていたのだ。

 乳房の上にきつくかけられた縄に引きずられて、ブラのカップは徐々に上へと移動していた。もはや下乳の大半が露出していた。男たちがニヤニヤしながら携帯のレンズを向けていた。ついに、二階堂有希の乳首が見られる・・・週刊誌でも動画でもしっかりと隠されていた部分が・・・

 「だ、だめですっ!」
いくらなんでも、何の事情も知らない仕事上の知り合いの前で、乳首まで晒すなんてできない・・・有希は思わず、お銚子をテーブルの上に置き、両腕で胸を庇った。ちょうどその瞬間、ブラジャーが大きく跳ね上がり、乳房が丸ごとこぼれ出た。あーっ、と男達の悔しそうな声が響いた。
「あ、ああっ」
有希は左腕で両方の乳房を覆い、右腕を動かしてブラジャーを引き下げようとした。
 
 その時、米倉が構えているカメラが突然大きな音を立て、皆の注目を集めた。
「お、有希ちゃん、電話だよ!」
米倉が有希の目の前に携帯端末を差し出した。もちろんそれは親切心からではなく、携帯端末を手に持たせることで、胸を庇うのを妨害するためだった。

 「は、はい・・・」
有希は胸から手を離したくなかったが、画面に表示された番号がさっきと同じ、アイリス映像の番号であることを知ると、そうもいかなかった。左腕がしっかりと双乳を隠していることを確認しながら、右腕をそっと伸ばし、自分の携帯端末を受け取った。本当は部屋の片隅に移動し、誰にも聞かれないようにしたかったが、今は大股開きにされて、両脚をそれぞれ両隣の男にしっかりと抱えられているため、それも叶わなかった。
「はい、二階堂です。お待たせしました・・・」

 『有希ちゃん、分かってるわね、接待のお客様のご希望には極力お応えしなきゃ駄目よ。さっきの写真、全然笑顔じゃなかったわよ。あなた、自分の立場、分かってるの? こっちはいつでもあなたの未公開の写真と動画、ばらまけるのよ?』
真樹はいきなり早口でたたみかけ、少し待った。そして、有希が、分かってます、と返事をしたのを確認し、さらに言葉を続けた。
『それじゃあ、あとはこうするのよ。まあ、せいぜいお酒を飲ませてもらって、酔った振りをすることね。送られてくる写真が笑顔じゃなかったらもう容赦しないからね。まずは・・・』
真樹は早口で言い立てると、一方的に電話を切った。

 「すみません、お待たせしました・・・」
あまりの命令に呆然とした有希だったが、それでも命令どおりにするしかなかった。真樹は明らかにこの状況をおもしろがり、遊んでいる・・・しかしそれは、有希にとってはこの上ない恥辱だった。
「あの、お酒を飲ませていただいてもよろしいですか?」
有希はそう言うと、左手で乳房を庇ったまま、右手でお猪口を持ち、2度3度、日本酒を注いでもらっては飲み干した。
「ああ、おいしい! なんだか、とっても気持ちよくなってきちゃいました・・・」
あまりの呑みっぷりに呆れている男達を見ながら、有希は酔ったふりをしてへらへらと笑った。(や、やらなくちゃ・・・ああ、胸を見られるなんて・・・)有希は内心でがっくりとしながら、思い切って両腕を身体から離し、両手を頭の後ろで組んだ。

 6人の男達は呆気に取られて有希を見つめた。有希の上半身には今、乳房縛りの縄と、すっかりずり上がったブラジャーしかなかった。そして、有希は両手を頭の後ろで組み、丸出しの乳房をよく見てほしいとばかりに突き出す格好をしていた。上下の縄にくびり出されて尖った乳房、頂点にある小さめの乳輪、その中心にある淡いピンクの乳首・・・男達は突き刺すような視線を浴びせ、憧れだった美人社員の乳房を堪能した。有希ちゃん、ケツだけじゃなくて、おっぱいも可愛くて、美乳なんだな・・・にこにこ笑っちゃって、酒癖悪いんだな・・・(笑)

 酒に酔うと開放的になって、裸になってしまう女性・・・それが、真樹に命じられた有希の役割だった。営業部の男性社員と、初めての大口契約のお客様の前で、裸の乳房を自ら晒す・・・それは、アイリスで見られた時よりも遙かに屈辱的だった。しかも、真樹の命令はまだまだあるのだ・・・

 「なんか、おっぱいが窮屈なので、その、蟹バサミで、ブラジャー、切り取ってもらえませんか?」
有希は自分の右足を抱えている上条に向かって上目遣いのお願いをした。(だ、だめ、切られたりしたら、下着がなくなっちゃう・・・)
「そ、それから、お酒をもう一杯、ください・・・両手はこうしていたいので、誰か、呑ませてくれませんか?」

 ・・・そして、大胆な提案に喜んだ男達にあっという間にブラジャーを破り取られ、有希が上半身に身に付けているものは、乳房縛りの縄だけになってしまった。もちろん、男達は目で楽しむだけでなく、携帯端末のレンズを向け、フラッシュを浴びせては写真と動画を撮りまくっていた。有希が楽しそうな笑顔を浮かべているため、後ろめたさを感じることもなかった。

 さんざん乳房の写真を撮られた後、有希は恥辱に頭がぼうっとなるのを感じながらも、次の命令を実行に移さなければならなかった。
「あの、それでは、次は、・・・下の方も、切り取っちゃってもらえませんか?・・・」
有希は恥じらいの表情を浮かべながらそう言うと、畳の上に横たわった。そして、脚を曲げて両手でそれぞれの太ももを抱え、徐々に左右へ開いていった。(こ、こんな格好・・・恥ずかし過ぎる・・・)
「また、蟹バサミで、私のパンティ、切っちゃってください・・・」

 ぱっくりと股を開いたM字開脚で畳に横たわり、乳房縛りでひり出された乳房を露出したまま、切なそうに瞳を潤ませ、パンティを取り去るように懇願する美人新入社員・・・縄が食い込んだ秘裂がぷっくら膨らんでいるのがパンティ越しに見えて、さらにその中心が濡れて、半分透けてしまっている・・・それは、男達の理性をすっかり蒸発させる光景だった。早くこの女の下半身を剥き出しにしてやりたい、そしたら清純ぶってたこの女は、どんな顔をして恥ずかしがり、悶えるのだろう・・・

 パンティのあちこちを蟹バサミで切った後は、さらに淫らなショーが展開されることになった。縄にきつく縛られたまま、その下のパンティを引っ張って抜き取る作業は、有希にとって快感責めそのものだった。特に、クリトリスとネクタイの瘤の間だのパンティを引き抜く時には、有希は思い切りクリトリスをこすられ、釣られたばかりの魚のようにびくびくと震え、悶えながらあられもない声をあげてしまった。
 そして、「ちょっと、静かにしてくださいな」と襖を開けた女将の前で、有希はついに絶頂に達してしまったのだった。


 数分後。意識を取り戻した有希は、自分がまんぐり返し姿にされていることを悟り、悲鳴をあげた。しかも、身体はテーブルの上に乗せられ、両手と両脚は手ぬぐいを繋ぎ合わせて作られた紐で、しっかりとテーブルの脚に括り付けられてしまっていた。

 「やっとお目覚めかい、陰のミスK大だったお嬢様の美人社員さん?」
「女将が呆れてたよ、こんなに羽目を外した女を見たのは初めてだって。商売女も含めてね。(笑)」
「ま、お座敷ストリップってのはあっても、客のネクタイで股縄縛りして、それにこすられてイっちゃうって、凄すぎだもんな。(笑)」
「しかも君、どうしてパイパンにしてるわけ? ネクタイからピンクの襞々、見えちゃってるんだけど?(笑)」
「Supershotの仕事、ちょっと可哀想だと思ってたけど、余計な心配だったみたいだね。ほんとはこんな姿、全国で発売してほしいんじゃない?(笑)」
「あーあ、大事なお取引先の部長のネクタイ、そんなに汚しちゃって・・・上条部長、奥様にどう説明すればいいのか困ってるじゃないか(笑)」
最後の言葉を口にした守口が、股縄のネクタイをぴんぴんと引っ張り、有希に可愛い悲鳴をあげさせた。

 宴席はそれからしばらく続き、6人の男達は、最高の酒の肴を目の前にして、ひとしきり盛り上がった。
いつも爽やかな笑顔で挨拶し、清楚で真面目だった美人女子社員が、自分達のネクタイで緊縛された全裸でまんぐり返しをさらしている・・・それはどれだけ見ても飽きない光景だった。さらに、カメラを向けて撮影する度に、必死に笑顔を浮かべるところがまた愛しく感じられた。有希が本当に喜んでいるわけではないことは、その顔が真っ赤に上気していること、両脚がカタカタ、ガクガク震えていることから明らかだった。どんな事情かは分からないが、この娘は宴席での痴態を強要されている・・・しかし男達の中に有希を助けようと思う者はなく、皆が千載一遇の機会をとことん楽しんでやろうと思っていた。

 最初のうちはまんぐり姿の痴態と、恥辱に顔を歪ませる有希の表情を楽しんでいた男達だったが、しばらくすると、肴を味わうという理由で、箸を伸ばす者が現れた。箸の先で乳首を摘まみ、首筋やお腹の性感帯に沿って這わせ、股縄の脇から先端を潜り込ませ、瘤の上から突っついた。その度に、あ、あん、と悲鳴を上げ、身体をぴくぴく震わせ、切なそうな表情をする有希が可愛らしく、あっという間に皆が箸で有希の性感の弱点を責めてからかうようになった。

 そして、宴席が終了を迎える時、有希はようやくテーブルへの拘束を解かれた。しかしそれは、「最後の挨拶」をするためだった。有希は全裸に乳房縛り、股縄縛りの計5本のネクタイを身に付けた姿で立ち上がり、皆からよく見える位置に立った。

 「G社の皆様、この度はまた、大口の契約をしていただけるとのこと、誠にありがとうございます。私にとってG社様は、新入社員研修の時に最初に大口契約をいただいた、とっても思い出のあるお客様です。・・・本日は、私の趣味も兼ねて、このような姿を披露することでお礼させていただきましたが、楽しんでいただけたでしょうか・・・」
ぱちぱちぱちと拍手が湧き、最高だよ、有希ちゃん、と掛け声がかかると、有希は上品に腰を曲げてお辞儀をした。
「ありがとうございます。・・・それでは、服をお願いします・・・」
有希はそう言うと、S書房の男たちに視線を向けた。やっと終わったのね。早く、服を着させて・・・有希は乳房を左腕で、股間を右手で隠していた。


次章へ 目次へ 前章へ

カウンター